- 地球研和文学術叢書
人新世を問う
――環境、人文、アジアの視点
「人新世」――それは、現代が、人間が地球環境を”支配”する時代であることを科学的に示す語でありメタファー。本書はそれを、アジアと人文の視点から再考します。
「レジーム/ガバナンス」、「感性/実践」、「言説」、「知識システム」をキーワードに、アジアの経済発展や植民地化や近代化の歴史社会のあり方、豊かな自然とともに作り上げてきた人々の暮らし、文化、経験、自然観と人新世の関係を問い、オルタナティブはどう構想されるかを問います。
また、本書は、概念としての人新世の形成とその特質についても詳細に解説。科学の巨大国際ネットワークの形成と人新世概念の形成について明らかにするとともに、従来あまり知られていなかった、地球科学を中心とした日本の科学界や日本学術会議の人新世概念形成へのコミットメントも明らかにします。
さらに、本書は、関係者への調査により人新世概念の誕生の詳細な日時と場所も特定。
従来はっきりとは明らかになっていなかった人新世概念が生まれた日付と地点を、世界で初めて活字化しました。
編著者の寺田は地球研客員准教授、ナイルズは地球研准教授。
刊行物情報 | 寺田 匡宏、ダニエル・ナイルズ 編著 出版社 京都大学学術出版会 2021年3月 A5上製・500頁 5,700円+税 ISBN: 978-4-81400-317-4 |
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