- 地球研叢書
人新世の風土学
-地球を〈読む〉ための本棚
「人新世」の時代に地球をどう〈読む〉ことができるのでしょうか。
本書はそれに「人文」の立場から迫ります。東アジアの人文思想では、「天文」と「人文」という語が対になっているように、環境と人の世界とは照応しているという考えがあります。本を〈読む〉ことと、環境を〈読む〉こととは等価ともいえます。本書は、その立場から、地球を〈読む〉方法を提示します。
「風土」という語も、また東アジアに長く伝ってきました。近現代には、それを和辻哲郎やオギュスタン・ベルクが「風土学」として彫琢しました。風土とは、ひと、もの、いきものの関係が問われる人新世において考えるヒントとなる考え方。本書は、その可能性を探ります。
具体的には、「物語と風景」、「未来と想像」、「存在と世界」というキーワードに沿って、二十数冊の本を紹介します。文学や、歴史や哲学などの本を読むことを通じて、持続可能で望ましい未来を考える道を探ります。
カバーのイラストと題字は沖縄の手捺染工房 Doucatty(ドゥカッティ)の田原幸浩さん。サンゴ礁に住むイラブチャー(ブダイ)を、手染めの技法で描いてくれました。田原さんは「絵を描くことはいろんなものと話すこと」と語っています。
地球を〈読む〉こと、それは、地球と対話すること。本書はそのためのガイドブックです。
発行 | 昭和堂、2023年3月 |
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刊行物情報 | 寺田 匡宏 著 四六判 216頁 価格 本体2,800円+税 ISBN 978-4-8122-2210-2 |
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