• その他の成果出版物

生き方としてのフィールドワーク: かくも面倒で面白い文化人類学の世界

フィールドワークという人類学的実践の核心をなす営みを通して、この人類学の厄介な面白さを初心者に伝えるということを目的としています。同時に、人類学にとどまらず、広範に応用されるフィールドワークという手法を、さらに拡張させることを試みています。

本書は、地球研サニテーションプロジェクトの中尾世治特任助教が共編著をつとめ、「序論」のなかで人生に埋め込まれたものとしてのフィールドワークという視座を提示しています。フィールドワークが人生のなかでどのような意味をもっているのかだけではなく、日常生活の仕事やささいな行動もフィールドワークとして捉える考え方を示しています。第9章「異分野との共同研究の現場―現場=フィールドの学としての人類学」では、衛生工学の研究者が多い地球研サニテーションプロジェクトのなかで、異分野の人たちと対話を重ね、共同研究をしてきた経験から人類学者としての齟齬や葛藤、気づきがいかなるものであったかを描き出し、進行中の異分野の共同研究を研究する(メタ研究する)という新たな研究のあり方を示しています。

刊行物情報 中尾 世治 ・ 杉下 かおり 編著
発行 東海大学出版部 2020年3月
ISBN 978-4-486-02176-6
A5判 344頁 価格2,800円+税
リンク 出版社HP

その他の成果出版物一覧へ