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西アフリカ内陸の近代 国家をもたない社会と国家の歴史人類学
国家をもたない社会と国家の歴史人類学
本書は19世紀から20世紀半ばまでの西アフリカ内陸のムフン川湾曲部の歴史の記述と分析から、国家をもたない社会のなかで国家ができるとどのようなことが生じたのかを論じています。タカラガイを貨幣として部分的に用いていた地域における、植民地政府によって発行された植民地通貨とその植民地通貨による一律の徴税の導入、イスラームと在来宗教が混在している地域へのカトリック宣教団の入植とライシテ(脱宗教性)を掲げる植民地行政の成立、第二次世界大戦後の政党政治の確立、これらはこの地域に何を生じさせたのか。本書では、まばらで偏りのある文字史料と口頭伝承を駆使して歴史の再構成をおこなうとともに、このような史資料の偏在を踏まえた歴史の記述と分析のメタ方法論も提示されています。
刊行物情報 | 中尾 世治 著 発行 風響社 2020年8月 A5判 606頁 価格7,000円+税 ISBN 978-4-89489-168-5 |
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