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人文地球環境学
――「ひと、もの、いきもの」と世界/出来(しゅったい)

地球と人間は「文」を通じて照応している――。
東アジア漢字圏にある「天文」と「人文」の相関という考え方を手掛かりに、「ひと、もの、いきもの」の関係性が新たに問われている人新世における地球環境学の在り方を人文学の視点から考える本を刊行しました。歴史、進化、世界、環境、宇宙、出来、お話、境界、技術、正義、災厄、ケア、未来などの話題を15の章で論じています。
本書の英文タイトルは「ジオ・ヒューマニティーズGeo-Humanities」ですが、いま、ヨーロッパではドイツのマックスプランク学術振興協会が中心となって、ジオ・アンソロポロジー(人間地球学)という学問の形成が進んでいます。この構想を推進しているマックスプランク科学史研究所ダイレクターのユルゲン・レンJürgen Renn博士によるとそれは「人新世を導くに至った経路を探求する学」。本書は、その構想への東アジアからの応答でもあります。
巻末には、本書カバーに作品「樹現」を掲載したアーティストのロヒニ・ディヴェシャーRohini Devasher(インド)と著者の対談「パターンと出来(しゅったい)、あるいは可能性たちの温室」も収録。福岡アジア美術館、スペンサー美術館(米国)でも作品が展示され国際的に活躍する作家と、デジタル空間の中の自然と人為について話し合っています。
著者の地球研寺田匡宏客員准教授がシリーズエディターをつとめる「叢書・地球のナラティブ」の第2回配本となります。

刊行物情報 著者 寺田匡宏
装丁 和出伸一
発行 あいり出版 2021年2月
四六判 448ページ 価格 2,000円+税
ISBN 978-4-86555-079-5
リンク 出版社HP

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