地球研市民セミナーの内容をもとに、地球研叢書『ポスト石油時代の人づくり・モノづくり―日本と産油国の未来像を求めて』(昭和堂)を2012年度に出版しました。また、『砂漠誌―人間・動物・植物が水を分かち合う知恵』(東海大学出版会)、『アラブのなりわい生態系』(臨川書店)第2・3・4・6・7 巻、さらには、多言語(アラビア語、英語、フランス語、スワヒリ語)による「アラブなりわいモノグラフシリーズ(Arab Subsistence Monograph Series)」(松香堂書店)第1・2巻を出版しました。研究成果をまとめ社会に発信するとともに、アラブ社会の研究者、行政従事者、開発事業者、地域住民に向け、研究成果の社会還元をすることができました。
2013年度には国立科学博物館にて、企画展「砂漠を生き抜く―人間・動物・植物の知恵」を約2か月半にわたり開催しました。11万人以上の来場者を記録し、のべ27回に及ぶ講演会、実験講座、民族衣装試着会、ギャラリートークを通じて、多くの一般の方に研究成果に触れてもらうことができました。
また、調査対象国であるスーダンにおいて実施されている国際協力機構(JICA)による開発援助事業にプロジェクトリーダーが参画し、研究成果の行政現場への応用、さらにはその結果を再び学術界へフィードバックするまでを成し遂げることができました。