2024.07.26
トピックス
フェローシップ外国人研究員(KREBBER, André)の受入れ
総合地球環境学研究所では、下記のとおりフェローシップ外国人研究員の受入れを行いました。
氏名: KREBBER, André (クレベル アンドレ)
受入期間:2024年7月25日 – 2024年9月25日
所属・職:Full Visiting Professor Social and Cultural History, University of Kassel, Germany
研究課題:Historical Understandings in the Consideration of the Anthropocene
人新世の考察における歴史認識
アンドレ・クレベル博士は、人新世における自然、文化、歴史の関係性を研究する文化史・理論の研究者です。彼は自然史とその概念の理解、人類以外の生物の役割と人と動物の関係、生態理論と美学について研究しています。特に思想史と、認識論のプロセスが人間と自然との間でどのようにすり合わせられるか、とりわけ芸術と科学の交わりにおいて、関係を取り持つ新しい手法の開発に興味を持っています。
地球研在籍中は、松田素二特任教授のプログラムを中心に地球研の多様な研究者と協力し、日本における人新世と原子力の歴史、および自然や非人間的主体を概念化するオルタナティブなアプローチに関する研究を進める予定です。特に、人間と自然の歴史が人新世の言説の中でどのように構築され、関連づけられているのか、長い歴史の中で人間が自然と地球に対してどのようポジションを作り上げてきたのかについて、考察することが中心的課題となります。さらに、SceNEプロジェクトなどの研究者との連携を通じて、知識生産へのアート的なアプローチについても探求する予定です。
後者については、クレベル博士がエジンバラ大学出版局から刊行を予定している「The Forgotten Animal: Raising Nature’s Memory in the Enlightened Subject」と題する書籍の内容と関係しており、環境を取り巻く困難な時代に対応するための重要な記憶の実践として、美的な動物の記憶というユニークな概念を発展させようとするものです。
KREBBER, André