2023.11.14
トピックス
招へい外国人研究員(JOULIAN, Frederic Joseph)の受入れ
総合地球環境学研究所では、下記のとおり招へい外国人研究員の受入れを行いました。
氏名: JOULIAN, Frederic Joseph (ジュリアン フレデリック ジョゼフ)
受入期間:2023年10月11日 – 2023年12月7日
所属・職:Assistant Professor (Maître de Conférences)・
EHESS (Ecole des Hautes Etudes en Sciences Sociales-Advanced School for Social Sciences)
研究課題:From past and animals: another way to tell future.
過去と動物から:未来を語る別の方法
Frédéric Joulian氏は、フランスの社会科学高等研究院の研究員として自然・進化・技術の人類学的研究をするとともに、マルセイユ大学でも教鞭をとっています。最近関心を持っているのが、社会を「編集」するということ。換言すれば、社会のさまざまなセクターをつなげてゆくことです。そこには最新の研究成果を一般の人にどのように伝えるかということが含まれていますが、そのために研究者が、ヴィジュアル・アーティストや絵本・漫画作家とフィールドを共にして「作品」制作にあたる新しい研究手法「Anthropographics」を開発しました。
芸術と科学の新しい対話を促進するのも彼の「編集」作業のひとつです。金沢21世紀美術館の長谷川祐子館長とともにワークショップ"Museum, nature and culture"を開催しました。芸術と科学の協力は難しいこともありますが、環境・エコロジーをテーマに対話を重ねることで、金沢21世紀美術館と地球研とで共同作業を行う可能性が拡がりました。阿部健一教授やDaniel Niles 准教授、そして地球研の研究プロジェクト(特に、LINKAGEプロジェクト)との共同研究で、RIHNのプロジェクトに関連した「Anthropographics」手法を展開するため、能登半島、伊豆半島、および、与論島・沖縄にてフィールド調査を行う予定です。さらに"Manual of beavers, ... chimpanzees, dolphins, crows, ... for sapiens entangled in the Anthropocene"(仮題)を執筆予定。この書籍では、ビーバーやチンパンジーなどの動物の道具の使用例を通して、動物が、そしてなによりも人間が、人工物(Artefact)だけでなく「自然改変物」(Ecofact)をどのように利用してきたのか示そうとしています。そこに自然気候変動の危機に対応するための代替モデルがあると考えているのです。
研究についての詳細:
https://centrenorbertelias.cnrs.fr/equipes-de-recherche/chercheurs/frederic-joulian/
略歴: https://www.youtube.com/watch?v=D89RYYm8NZU
JOULIAN, Frederic Joseph