2022.04.18

トピックス

第4期中期計画期間開始にあたり新ロゴマーク決定 ~多種多様な人の関わりを地球のイメージを重ねたデザインに~

4月1日より第4期の中期計画期間(2022年度~2027年度)に入るにあたり、総合地球環境学研究所(地球研)はロゴマークを一新しました。

ロゴマーク 基本系A

ロゴマーク 基本系A

ロゴマーク 基本系B

ロゴマーク 基本系B

一般公募により採択されたロゴマークは、神奈川県在住のデザイナー、原田一穂氏による作品で、シンボルマークは、「大学単独ではできない研究基盤」を表す土台のイメージと、「人文学・社会科学・自然科学の文理融合による学際研究」や「社会と連携・協働した超学際研究」の多種多様な人の関わりを、地球のイメージを重ねてデザインしてあります。当研究所から地球環境問題が解決され、未来のあるべき姿が現れていく強いメッセージを込め、築き上げられる前段階を表現するために、下半分の地球をシンボルマークのモチーフとしています。

また、色彩コンセプトは、誰もが地球をイメージできる青と緑を用いた配色とし、それぞれの色に変化をつけることで、1つの分野の中でも多様な考え方があることや、研究にあたっての多角的な視点を表現しています。また、陰影に見える濃淡が円ではなく球体(地球)を分かりやすく伝え、色の変化から環境の変化を連想することができます。

山極壽一地球研所長は「地球環境問題の根幹は人間の文化の問題であるという初心に立ち返り、地球を人間の姿で作っていただいた。しかし、同時に地球は人間によって壊れつつあること、水の惑星であり、緑に代表される自然の調和を取りもどさなければならないことも、このロゴに含まれていると思う」と述べています。

なお、第4期中期計画で、地球研は下記のような将来構想を掲げます。

21世紀も最初の20年を過ぎて、地球環境は気候システム、生態系、物質循環等を含むさまざまな面で、すでに限界に近づいており、地球研での成果も含め、多くの研究で指摘されています。新型コロナウイルスによるパンデミックも、自然への人為による大規模な介入がきっかけとなり、近年の人口の急増とグローバルな人と物の動きが引き起こした人災と言っても過言ではありません。

パリ協定に呼応して各国は温室効果ガスの排出削減目標を定め、日本も2050年までに排出量を実質ゼロにすると宣言しました。国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)も各国が具体的な指標を掲げて努力を傾注しており、これらは相互に密接に連環しています。人と自然の相互作用環の不具合がまさに顕在化しており、持続的で未来可能な姿はどうあるべきかを、地域的な自然や文化の特性や歴史的な経緯も考慮しながら総合的に考え、その解決へ向けて具体的な方策を実施していくことが喫緊の課題となっています。

また、地球環境の調和的な安定を図るためには生物の多様性とともに文化の多様性を守り育てていく視点が不可欠となります。そのためには、人文学・社会科学・自然科学をまたぐ学際的な研究の上に、社会とも連携・協働して新たな価値を創出する超学際研究を進めるとともに、地球研では「人と自然のあるべき姿」の実現へ向けて具体的な方法論を提示する必要があります。

地球研の第4期中期計画は、これらの学際・超学際研究を飛躍的に進め、地球の危機の回避と公平な人類社会への展望を拓く重要な時期に対応し、具体的な推進目標と方策として、次の三つを掲げます。

1)地域から地球レベルでのマルチスケールで複合的な環境問題の解決と未来可能な社会を目指す学際研究及び超学際研究を先導的に推進する。
2)これまでの学際・超学際研究の経験・実績を踏まえ、現代の地球環境問題に対応する解決策やその社会実装へ向けて、包摂的・俯瞰的視野から検討を進める。
3)これらの2課題に関係する研究について、国際的な学術組織及び実践コミュニティとの連携を強め、世界をリードする国際的研究機関を目指す。

ロゴマークの公募には、国内外の433名、712件から応募がありました。広報室での一次審査を経て、ロゴマーク審査委員会(所長、副所長2名、教員2名、外部審査委員1名)により、最優秀賞1点(原田一穂氏作品)、優秀賞3点(梶原夕紀氏作品など)が決定されました。外部審査委員は、デザインの専門家として多摩美術大学教授、株式会社DAI FUJIWARA代表の藤原大氏に依頼しました。

最優秀賞受賞のロゴマークデザインは、藤原大氏によるリタッチを経て最終版とし、ロゴマークの使用方法とシンボルカラーなどを記載した「地球研ビジュアル・アイデンティティガイドブック」も策定しました。

最優秀賞 原田 一穂さんの応募作品

ロゴマーク

優秀賞 梶原 夕紀さんの応募作品

ロゴマーク

【最優秀賞受賞】 原田 一穂(はらだ・かずほ)氏
1980年神奈川県生まれ。拓殖大学工学部工業デザイン学科でプロダクトデザインを専攻し、卒業後、家具小売店勤務を経て2015年に独立。オリジナル家具の開発と並行して携わった広報宣伝業務や店舗設計の経験を生かし、現在は対象を問わずグラフィックや住宅の内装設計等に幅を広げ、多角的な視点で様々なモノづくりに従事しています。 第5回Woodyコンテスト 木製家具部門 最優秀賞(2021)/ GAIA EDUCATION Future Furniture Competition グランプリ(2021)/ 富山デザインコンペティション 審査員特別賞(2020・2019)/ 第67回朝日広告賞 小型広告賞(2019)/ 他  www.kazuhoharada.com

プレスリリース ダウンロード(PDF)

ニュース一覧へ