2022.12.23
公募
総合地球環境学研究所
2023年度 同位体環境学共同研究公募要領
1. 公募事項
公募要領(PDF)
総合地球環境学研究所では、大学共同利用機関として、安定同位体質量分析装置を中心とする実験施設の整備を進めてきました。2012(平成24)年度より、これらの分析機器を用いることで、地球環境問題の解決に資する研究活動を促進するために、同位体環境学という新しい分野を設定し、関連する共同研究を実施してきました(注1)。2023年度においては、当研究所の共通機器(注2)を用いた以下の共同研究を募集します。
昨年度同様、オンライン申し込みシステム(様式1)を用いてご申請いただきます。余裕を持った申請準備をお願いします。
(A) 一般共同研究 | 当研究所の考える同位体環境学の概念に合致した幅広い分野の共同研究。 実験にかかる共通機器使用料については原則利用者負担とさせて頂きます。 |
(B) 計測・分析室共同研究 | 計測・分析室と密に連携した新しい分析手法(試料処理法なども含む)の開発や、計測・分析室と協働で行う新しい同位体利用法の開発と応用など、計測・分析室の研究体制構築に資する共同研究。 計測・分析室との協議の上、共通機器使用料の一部または全部を当研究所が負担させていただきます。 |
(S)「人・モノ・自然プロジェクト」連携公募共同研究 | 人間文化研究機構広領域連携型基幹研究プロジェクト「人新世に至る、モノを通した自然と人間の相互作用に関する研究(注3)」の趣旨に合致し、計測・分析室と行う共同研究。 審査の結果、共通機器使用料の一部または全部を当研究所(人間文化研究機構)が負担させていただきます。審査の結果「(S)「人・モノ・自然プロジェクト」連携公募共同研究」として採択されない場合、「(A) 一般共同研究」としての採択を希望するか申請時に選択いただきます。 |
2. 申請資格
- 大学の教員・研究員、研究機関の研究者(いずれも所属部局長等の承諾(様式2)が得られる者)
- その他、所長が適当と認めた者
3. 共通機器利用可能期間
2023年4月1日から2024年2月29日まで*(注4)
(* 研究期間は、承認日〜2024年3月31日とします)
4. 研究経費
- 旅費(交通費、宿泊費、日当)については、利用者負担とさせて頂きます。
- 実験にかかる消耗品および薬品は当研究所で用意致します。
5. 申請方法
- 申請者は、あらかじめ計測・分析室の担当教員(陀安一郎、申 基澈)(メールアドレスは「13. 問合せ先」に記載)と十分な打ち合わせをした上で、申請してください。
なお、締め切り間際のご相談に関しては、期日までに対応できかねる場合もありますので、十分に余裕を持って、遅くとも2023年2月13日(月)までに事前のご相談をお願いします。 - 申請者は、ホームページ(https://across.rois.ac.jp/rihn/DOITAI)からアクセスし、オンライン上で申し込みをしてください(様式1)。
6. 申請書提出期限
2023年2月20日(月) 午後5時
(期限厳守:システムは自動的に閉鎖されます)
7. 採否
当研究所の同位体環境学委員会の議を経て、所長が採否を決定し、2023年3月下旬頃までに申請者へ通知します。
採択後は、 「共同研究承諾書」(様式2)を必ず提出(郵送)して下さい。
提出先
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所 研究基盤国際センター 計測・分析室
E-mail: doitai[at]chikyu.ac.jp ([at]を@に変えてお送りください)
8. 留意事項
機器利用に際しては事前に機器利用申請書を提出して頂きますが、申請日時が同じ場合は、地球研プロジェクトの利用が優先されることをご了承ください。
9. 知的財産権の取り扱いについて
当事業における申請者の知的財産権の帰属等に関しては、下記の規程に準ずることとします。
2004(平成16)年9月14日 人間文化研究機構規程 第77号
なお、知的財産権にかかわる問題が発生した場合は、共同研究委員会で検討します。
10. 実験施設利用・研究における施設等の損害について
共同利用施設、設備等に利用者の過失による損害が生じた場合には、利用者の所属機関に対して原状回復をお願いすることがあります。
11. 研究成果報告書
研究者は、研究終了後速やかに「共同研究成果報告書」をホームページ(https://across.rois.ac.jp/rihn/DOITAI)から提出してください。
なお、提出していただいた報告書は当研究所のホームページ等において公表することがあります。
ご利用されたにもかかわらず期限内にご報告がない場合は、それ以降の利用をお断りすることがあります。
12. 本研究による成果の発表
本研究による成果の発表の際は、必ず本研究事業により援助を受けた旨を明記してください。
- 和文: 本研究は、総合地球環境学研究所の同位体環境学共同研究事業の支援により行った。
- 英文: This study was conducted by the support of Joint Research Grant for the Environmental Isotope Study of Research Institute for Humanity and Nature.
あわせて、発表論文のPDFファイル(別刷りもしくはコピーでも可)を提出して下さい。
(S)「人・モノ・自然プロジェクト」連携公募共同研究採択者は、別途の様式を用意していますので、採択者に後日ご連絡する様式で明記してください。
本事業による成果は、毎年地球研において開催している同位体環境学シンポジウム(次年度は2023年12月開催予定)での発表をお願いします。また、地球惑星連合大会の地球人間圏に継続的にセッションを開催しており、本研究の成果を発表する場としています。2023年度は「環境トレーサビリティ手法の開発と適用」というセッションを設け、次年度以降も継続して開催する予定です。本研究の成果は可能な限り同セッションで発表して頂くことをお願いします。
13. お問い合わせ先
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所 研究基盤国際センター 計測・分析部門
<研究内容>
陀安一郎
TEL:075-707-2380 FAX:075-707-2509
E-mail:ichirotayasu[at]chikyu.ac.jp ([at]を@に変えてお送りください)
申 基澈
TEL:075-707-2473 FAX:075-707-2509
E-mail:shinkch[at]chikyu.ac.jp ([at]を@に変えてお送りください)
<事務手続きに関する内容>
倉田純子
TEL:075-707-2453 FAX:075-707-2509
E-mail:j-kurata[at]chikyu.ac.jp ([at]を@に変えてお送りください)
注1
総合地球環境学研究所は、⼤学共同利⽤機関として⼤学単独ではできない研究基盤を提供し、⼈⽂学・社会科学・⾃然科学の⽂理融合による学際研究に加え、社会と連携・協働した超学際研究により、「⼈と⾃然の相互作⽤環」を根源的かつ包括的に理解し、地球環境問題の解決に向けた実践を⽬指す「総合地球環境学」を先導するというミッションのもとで研究にあたっています。研究で対象とする地域や時間のスケールはさまざまですが、研究所として個々の研究プログラムを分野横断的に束ねて、地球環境学を構築する方向性を明確に提示することが重要であると考えています。その中にあって、水・大気・生物・土壌など生態系を構成する種々の要素、人間の活動とその歴史など、あらゆる人間と自然の相互作用環のなかに、元素の安定同位体比という指紋が内在されていることが明らかになってきました。当研究所では、多様な環境物質と多くの元素について、この指紋情報を獲得できる実験機器を整備してきました。これらを用いた分析を通じて、地球環境問題の解決に資する研究を行うことは、研究所の中期目標・中期計画の位置づけに示されている通り、重要なミッションです。総合地球環境学研究所では、これらの研究を「同位体環境学」とよび、全国の研究者との共同研究を2012年度より公募しています。
同位体環境学共同研究は、「地球化学」「水文学」「生態学」「地質学」「鉱物学」「人類学」「食品科学(産地判別)」「科学捜査」など、細分化された専門的学問領域で活用されている「同位体手法」を、幅広い環境学の研究に利用することを目指しています。単なる「機械の共同利用」ではなく、「研究方法」や「研究成果の利用方法」も共有する共同研究を目指し、研究基盤国際センターの計測・分析部門と共同しながら、今後の総合地球環境学研究所において行われるプログラム-プロジェクトに貢献する可能性を持つ研究を広く募集します。
注2
総合地球環境学研究所の実験施設に設置され利用できる機器(共通機器)は、地球研のホームページにある「実験施設」の「施設案内」のページをご参照ください。
https://www.chikyu.ac.jp/laboratories/labo_shisetsu_top.html
研究計画書には、使用する装置名と予定分析試料数・時間(標準試料を含む)もしくはサイクル数を明示してください。機器には、機器使用料が決まっていますので、申請には別紙「共通機器課金単価表」を参照してご記入下さい。「共通機器課金単価表」は、毎年更新されていますので、必ず2023年度のものをご参照願います。
ご不明な点は、「お問い合わせ先」までご相談ください。
注3
人間文化研究機構広領域連携型基幹研究プロジェクト「人新世に至る、モノを通した自然と人間の相互作用に関する研究」は、第4期中期計画期間の2022年度から2027年度にかけて総合地球環境学研究所を主導機関、国立歴史民俗学博物館を共同運営機関として行われる、人間文化研究機構人間文化研究創発センターによるプロジェクトです。自然の中を生きる人類は、環境中の多岐にわたる資源を利用して生活してきました。本研究は、身体や物質に含まれる様々な元素の濃度および同位体比を分析することで、人類と自然環境との関わりや相互作用についての時間軸と空間軸を横断する研究を行い、物質文化から見た現代の地球環境問題につながる人間の資源利用形態の変容を明らかにすることを目標としています。国立民族学博物館との共同研究「古代アンデス研究」を行うほか、機構内外の大学等研究機関との共同研究を行います。
https://www.nihu.jp/ja/research/trans-proj#multid
注4
新型コロナウィルス(COVID-19)等の感染症のために、政府、地方自治体、または地球研の状況によっては、実験施設利用を停止したり、利用条件を変更する可能性がありますことをご了承のもと、ご申請ください。