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展覧会「語りかける庭」
日時 | 2025年2月8日(土)~11日(火・祝) 10:00 - 17:00 |
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会場 | 有斐斎 弘道館 〒602-8006 京都府京都市上京区新町東入ル元土御門町524−1 上長者町通 ※会場では薄茶と和菓子の提供(有料)がございます。ぜひご利用ください。 |
参加方法 | トークイベントは事前予約制です。Googleフォームからお申し込みください。 |
イベント概要 | エマニュエル・マレスと澤崎賢一は、2016年、著作『動いている庭』で知られるフランスの庭師・哲学者 ジル・クレマン(1943〜)を取材した映画《動いている庭》を制作・公開いたしました。それ以後も、マレスと澤崎は、継続的に庭園に関する映像作品を制作・発表してきました。今回、江戸時代の儒者・皆川淇園(1734-1807)が創設した学問所・有斐斎 弘道館において、庭師・古川三盛(1943〜)を取材した新作映像作品《語りかける庭》を展示いたします。会場では、《動いている庭》、また、3Dスキャンなどの最新の技術を取り入れた日本庭園の新しいアーカイヴを研究開発する庭園アーカイヴ・プロジェクト(原瑠璃彦主宰)による映像作品《Incomplete Niwa Archives 終らない庭のアーカイヴ》も同時に展示いたします。 |
プログラム | ■展示 ・映像作品《語りかける庭》(監督:澤崎賢一、製作:エマニュエル・マレス、時間未定、2024) 観音寺(京都府福知山市)の庭の作庭をめぐる住職、庭師、美学者の視点の万華鏡。 京都府福知山の観音寺にある庭の作庭にまつわる3つの物語。作庭を依頼した観音寺の住職・小籔実英、作庭を行った庭師・古川三盛、作庭を行う古川を観察した美学者・山内朋樹、そして、この映像作品を鑑賞する私たち――。この庭が「この庭として」そこに存在するためには、それらすべてが関わり合っている。 本作では、ひとつの「庭」を複数の視点から見つめなおすことを可能にする「映像」の錬金術によって、人間による集団的な意思決定を超えた、目に見えない出来事発生の力学が明らかになるだろう。 ・ドキュメンタリー映画《動いている庭》(監督:澤崎賢一、製作:エマニュエル・マレス、85分、2016) フランスの庭師ジル・クレマンの庭で過ごした、とある一日を記録した映画。 この惑星は、庭とみなすことができる― パリで行われた展覧会「惑星という庭」で30万人を魅了したフランスの庭師ジル・クレマン。彼は、パリのアンドレ・シトロエン公園の庭やケ・ブランリー美術館の庭をつくったことで知られ、同時に、その背景にある思想が注目を浴びてきた。 できるだけあわせて、なるべく逆らわない― これは、クレマンの庭師としての基本的な態度である。この言葉にそってつくられた本作は、日本各地を訪問するクレマンと、彼の自宅の庭をロングショットで記録した民族誌的な映像である。 ウェブサイト:http://garden-in-movement.com ・映像作品《Incomplete Niwa Archives 終らない庭のアーカイヴ》 3Dスキャンなどの最新の技術を取り入れた日本庭園の新しいアーカイヴのかたち。 庭園アーカイヴ・プロジェクトでは、3Dスキャン、高解像度撮影、アンビソニックス録音、DNA解析など、種々のテクノロジーを用いて、動態としての日本庭園の多様な側面を捉えたアーカイヴの開発を行うとともに、「庭」とは何かを問うている。 今回は、日本各地の日本庭園を対象にこれまでに発表したアーカイヴを映像作品として展示する。 庭園アーカイヴ・プロジェクト ウェブサイト:https://niwa-archives.org ■トークイベント ・2025年2月9日(日) 14:00-16:00「庭と庭師のアーカイヴから露わになるもの」 登壇者:エマニュエル・マレス(京都産業大学 准教授)、澤崎賢一(アーティスト/映像作家、総合地球環境学研究所 特任助教)、津田和俊(京都工芸繊維大学准教授)、原瑠璃彦(静岡大学准教授) ・2025年2月10日(月) 14:00-16:00「庭と庭師の秘密をひもとく」 ゲスト:古川三盛(庭師)、山内朋樹(京都教育大学 准教授) |
イベント詳細 | 古今東西の庭園とそれを見守る庭師についてのこれらの映像を通して、人間にとって庭とは何か、自然と生きてゆくこととはどういうことか、といった諸問題について幅広い視点から思索する機会としたいと考えています。 会期中には、二度のトークイベントを開催します。一日目は、庭園、それを見守る庭師の知恵をいかに記録し、継承することができるか、また、その記録からどのようなことが新たに露わになるかについて議論し合います。二日目では、古川と、近年、古川の作庭プロセスのフィールドワークを書き留めた話題作『庭のかたちが生まれるとき』の著者・山内朋樹を迎え、庭師と庭が持つ秘密をひもときます。 有斐斎 弘道館には江戸以来の優れた数寄屋建築と庭園が継承されており、また、さまざまな文化活動に活用されています。この庭を出発点に、「庭」というものの無尽蔵の魅力、可能性をご来場の方々と共有できれば幸いです。 |
主催 | 科学研究費 基盤研究(B)「動態としての日本庭園の総合的デジタルアーカイヴとその持続的構築システムの研究開発」(2022-24 年度、研究代表者:原瑠璃彦、課題番号:23K21898) 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 人間文化研究機構 共創先導プロジェクト・共創促進事業「開かれた人間文化研究を目指した社会共創コミュニケーションの構築」 |
共催 | 公益財団法人 有斐斎 弘道館 |
協力 | 京都産業大学 日本文化研究所 |
助成 | 京都産業大学日本文化研究所の共同研究「京都文化と生活様式の形成に関する研究」 |
企画者 | Emmanuel Marès エマニュエル・マレス 1978年、フランス出身。工学博士、専門は日本建築史・日本庭園史。現在は京都産業大学文化学部准教授、奈良文化財研究所客員研究員。日本庭園史学の研究を通して、日仏の文化の交流に尽力している。主な著書に『縁側から庭へ』(あいり出版)、編著に『庭師と旅人「動いている庭」から「第三風景」へ』(あいり出版)など。 澤崎 賢一 さわざき・けんいち 1978年生。アーティスト・映像作家。総合地球環境学研究所 特任助教。京都市立芸術大学大学院 博士(美術)。主な展示・作品に、展覧会「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」 (金沢21世紀美術館、2024-25)、映画『#まなざしのかたち ヤングムスリムの窓』(43分41秒、2023、マダニ国際映画祭プレミア上映)、映画『#まなざしのかたち』(124分、2021、東京ドキュメンタリー映画祭プレミア上映)など。 原 瑠璃彦 はら・るりひこ 1988年生。静岡大学人文社会科学部・地域創造学環 准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は日本の庭園、能・狂言。主な著書に『洲浜論』(作品社)、 『日本庭園をめぐる――デジタル・アーカイヴの可能性』(ハヤカワ新書)など。『洲浜論』にて令和5年度(第74回)芸術選奨文部科学大臣新人賞、第15回表象文化論学会賞奨励賞受賞。 |
お問い合わせ | 庭園アーカイヴ・プロジェクト ina[at]niwa-archives.org *[at]を@に変更して下さい。 |