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キヤノングローバル戦略研究所・フューチャー・デザイン・ワークショップ66
「私たちにとっての根本問題は何か:人類と自然の統合的探究 」

日時
2024年10月22日(火)15:00 - 16:30
場所
オンライン
※参加希望の方は担当者にお問い合わせください。
開催
中川戦略プロジェクト
報告者
秋山知宏氏(総合地球環境学研究所特任准教授)
概要

人類は生存の危機に直面している.人類と自然を救うためには、その基盤を再構築しなければならない.このセミナーでは、私たちにとっての根本問題は何かを問う.第一に,根本問題を問うことはなぜ重要かを明らかにする.根本問題とは、掘り下げても掘り下げてもそれ以上掘り下げられない大本の問題のことである.第二に、人類文明史の観点から根本問題を問う.人類にとっての根本問題の一つは、個人と人類全体のエゴイズムをいかに克服するかであると考えられる.自己と他者(人類と自然を含む)についての統合的探究とリフレーミングは,気づかなかったものごとのつながりを認識させ,個人や集団の本来性と全体性の理解に近づけ,「とらわれ」を超越し,自己と他者の本来性をひらく.その意味で、自己と他者(人類と自然を含む)についての統合的探究とリフレーミングは、これからの文明の基礎になりえると考えられる.第三に、宇宙史の観点から根本問題を問う.現代の宇宙物理学は、私たちの既存の世界観や自己観を揺るがしている.宇宙は量子のゆらぎによって無から創造され、宇宙には目的がないという見方がある.一方,宇宙の始まりから現在に至るまで,素粒子が結び付き,細胞が結び付き,生物が結び付き,人間が結び付き,その都度新しい関係が生成されてきたという「宇宙連関」と呼ばれる見方もある.「宇宙連関」(あるいは本来性)への回帰は、水平超越(他者との調和)を可能にし、これからの文明を創造する源にも人生の目的ともなりうる.その意味で、「宇宙連関」のさらなる解明は重要であり、それは根本問題のひとつであると考えられる.最後に、人類にとっての根本問題とその統合的探究の枠組みをまとめ、今後の課題について言及し、セミナーを締めくくる.

(報告者紹介)
1978年群馬県生まれ.名古屋大学大学院環境学研究科博士課程修了、博士(理学).東京大学助教や京都大学研究員等を経て、総合地球環境学研究所特任准教授、宮崎国際大学客員教授、神戸情報大学院大学客員教授や筑波大学非常勤講師などをつとめる.地球環境問題の解決を志し、人類と自然の健全な未来のために、統合学と統合的実践に取り組んでいる.代表的な著書や論文に,「Integral Studies and Integral Practices for Humanity and Nature」,「自然といのちの尊さについて考える:エコ・フィロソフィと サステイナビリティ学の展開」,「Sustainability Science」,「Environmental Leadership Capacity Building in Higher Education」などがある.

言語
日本語
お問い合わせ
中川戦略プロジェクト
上田
ueda[at]chikyu.ac.jp *[at]を@に変更して下さい。

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