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フューチャー・デザイン・ワークショップ6「最近の気候変動対策におけるアンモニア(水素・CCS)問題。特に電力供給において」

日時
2022年5月6日(金)13:30 - 15:00
場所
オンライン
※ID・パスコードは担当者にお問い合わせください。
主催
実践プログラム
報告者
浅岡美恵先生(浅岡法律事務所 弁護士)
タイトル
最近の気候変動対策におけるアンモニア(水素・CCS)問題。特に電力供給において
概要

気候変動問題をはじめ多くの地球規模の問題が現在の危険として認識されるようになっている。多くの人間活動による悪影響に共通するが、現在のなりゆきの結果は不可逆的な侵襲をもたらす。なかでも気候変動による危険は不確実なリスクではなく、テッピングポイントにも至る将来予測は高い確実性がある。

気候変動に立ち向かおうとしている国際社会や地域社会の取り組みは、被害の回避・最小化を目的とする。10代の若者たちにFFF活動が急速に拡大しているのは、グレタ・トウーンベリの苦悩を通して自分たちの将来の姿と別の姿を理解したことによる。

気候変動だけでなく、関連する深刻な環境問題の解決は科学を基礎とする長期予測のもとでの政治的選択の課題である。特に気候変動問題はエネルギー問題であり、原子力・石炭火力は国策に位置付けられている。対応を考えるには多岐にわたる科学的社会的政治的領域での歴史的経過を含めた学習と理解が必要であり、素朴な判断にゆだねることは適切でない。

しかし、国際的な意識調査で顕著であるように、日本ではロシアに次いで、そうはとらえられていない。その理由には、知らされていないことと、政治的問題意識を回避する風土が長年にわたって浸透していることがあるのではないか。議論を封じ込むことが政治的であり、科学もそのなかも封じ込められてきた。

CO2の排出源は、地理的に偏在する。市町村単位でみると、大規模排出源を抱える自治体は100程度に過ぎない。これらの自治体では、依存関係にあるか、タブーとされる問題である。エネルギー関連情報の提供は日本固有の政治的意図をもって行われている。地域での未来選択において、極めて限定的な前提のもとで行われる危険があり、その限界を超えて普遍化しようとすることは、将来世代の機会を奪いかねないことに留意が必要である。

火力・アンモニア混焼、CCSの問題は、今日の気候変動問題にかかる日本的エネルギー問題の象徴的な問題である。地域での議論の前提としてアンモニアを題材とするとき、肥料としての歴史は入り口の一つであるが、ロシア・ウクライナ問題とも重なり、電力以外も含むエネルギー全体への学習が、地域での将来像につなげるために必要となる。日本全体で見るときはさらに必要となる。

コペンハーゲンでのUNFCCCCOP15の前に世界各地で行われたWorldwideviewsで参加者に提供された情報と視点は、必要なものであったと考える。

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実践プログラム 上田 E-mail

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