中川 善典

総合地球環境学研究所教授/上智大学大学院 地球環境学研究科教授

担当

フューチャー・デザインを通じた持続可能社会実現のための未来ビジョンの形成と多元的共存

役職・肩書

総合地球環境学研究所教授/上智大学大学院 地球環境学研究科教授

専門分野

フューチャー・スタディーズ、質的研究

経歴

高齢者の暮らし(モビリティや防災)や建設業における技能の継承等をテーマとして、ライフストーリー研究、質的研究を行ってきました。その経験を今ではフューチャー・デザイン研究に生かしています。

Q&A

地球研ではどんな研究をしていますか?
サステイナビリティ・サイエンスにおいて、ビジョン形成のあり方は重要な研究課題です。それは、サステイナブルな社会への変革のためにビジョン形成とそれに基づく戦略策定とが必須であると考えられているからです。しかし、サステイナビリティ・サイエンスは、解決が困難なトレードオフの問題を抱えています。ビジョンがmotivating であればあるほど、それは社会の中で特定の価値観を持った一部の人たちにしか共有されず、社会変革には貢献できなくなる可能性が高まるという問題です。これを解決する方法論が欠如している状況では、持続可能な社会への変革がうまく進みません。そこで、本プロジェクトは、人びとが、国のレベルから自治体や一企業のようなミクロのレベルまでにおいて、フューチャー・デザインの考え方を用いて仮想将来人の立場から自由かつ創造的に将来ビジョンをリアルに想像し、そこから今何をするべきかを検討した場合に、それらのビジョン同士が必ずしも整合しなくても、今何をやるべきかについての合意が形成でき、これによって社会全体としては持続可能性が実現する方向に向かっている、そんな状況を実現するための方法論の構築を目指します。
地球研で研究したい人に向けてのメッセージは?
地球環境学に関わる研究は、一つの決まった分野に収まらないものになることが多くあります。したがって、一体世界中の誰がどのように評価してくれるかも分からない中で、研究をしなければならないという困難があります。地球研に身を置くことは、かつて同じような困難な中で研究をされてきた先人の方々との接点を得ることであり、それは何物にも代えがたい財産になるように思います。

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