社会連携

地球研は、国内外の研究機関、行政機関、大学などとさまざまな協定を締結するほか、Future Earth国際事務局日本ハブ、カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリションの事務局を担っており、京都気候変動適応センター、寄附研究部門として上廣環境日本学センターを置くなど、地球環境問題解決に貢献する各種研究活動や研究成果等の国際発信を行っています。

国内外の連携機関

国内の連携機関

地球研は、国内の研究機関や行政機関等と学術交流等に関する28件の協定を締結することにより、組織横断的な学術研究の推進や相互の研究および教育の充実・発展に取り組んでいます。

学術交流等に関する協定を締結している大学・研究機関
(2025年4月1日現在)
  1. 名古屋大学大学院環境学研究科
  2. 同志社大学
  3. 長崎大学
  4. 京都産業大学
  5. 鳥取環境大学
  6. 京都大学
  7. 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター
  8. 金沢大学 環日本海域環境研究センター
  9. 東北大学大学院生命科学研究科
  10. 京都精華大学
  11. 琉球大学
  12. 北海道大学
  13. 農業・食品産業技術総合研究機構
学術交流などに関する協定を締結している行政機関など
(2025年4月1日現在)
  1. 愛媛県西条市
  2. 京都市青少年科学センター
  3. 農林水産消費安全技術センター
  4. 福井県大野市
  5. 京都府亀岡市
  6. 京都府立洛北高等学校
  7. 宮崎県
  8. 京都市、イクレイ日本、京都市環境保全活動推進協会
  9. 京都府立京都学・歴彩館
  10. 山梨県忍野村
  11. 京都府、京都市(2件)
  12. 日本環境衛生センター アジア大気汚染研究センター
  13. 京都府教育委員会
  14. 京都市教育委員会

海外の連携機関

海外の研究機関・大学などとの間で25件の覚書および研究協力協定を締結し、共同研究の推進、研究資料の共有化、人的交流などを進めています。さらに、海外の研究者との連携をさらに密にするため、招へい外国人研究員として各国から多数の著名な研究者を招いています。

海外協定締結機関一覧
(2025年4月1日現在)
    ▼ インド
  1. インド工科大学
  2. ▼ インドネシア
  3. ハサヌディン大学森林学部
  4. リアウ大学
  5. ハル・オレオ大学
  6. ワカトビ県
  7. ムハマディヤ工科ビジネス大学ワカトビ校
  8. ▼ オーストリア
  9. 国際応用システム分析研究所
  10. ▼ ウガンダ共和国
  11. チャンボゴ大学
  12. ▼ 英国
  13. グロスターシャー大学
  14. ▼ オマーン
  15. スルタン・カーブース大学
  16. ▼ オランダ
  17. ユトレヒト大学持続可能な発展に関するコペルニクス研究所
  18. ▼ カメルーン
  19. グリーン・ディベロップメント・アドボケイツ
  20. ▼韓国
  21. 国立木浦大学校島嶼文化研究院
  22. ▼ コンゴ民主共和国
  23. 南部・中部アフリカにおける持続可能な開発のための異文化・学際研究センター
  24. フォーゴットゥン・パークス
  25. ▼ ザンビア
  26. ザンビア大学
  27. ▼ スウェーデン
  28. ストックホルム大学ストックホルム・レジリエンスセンター
  29. ▼ 中国
  30. 華東師範大学
  31. 海南省疾病予防管理センター/海南省予防医学会
  32. ▼ 米国
  33. カリフォルニア大学バークレー校
  34. ▼ マレーシア
  35. マレーシア・サラワク大学
  36. パコス・トラスト
  37. サバ大学
  38. ▼ ラオス
  39. ラオス保健省 国立熱帯医学・公衆衛生研究所
  40. 国立ラオス大学森林科学部

各種組織の運営

Future Earth 国際事務局日本ハブ

京都気候変動適応センター

地球研は、長崎大学、国立環境研究所などと共同でFuture Earth国際事務局日本ハブを運営しています。Future Earthは、研究、イノベーション、そして社会との協働によって、持続可能で公平な社会への転換をめざす国際的な研究ネットワークです。自然科学、人文・社会科学の多様な分野の専門家と、社会の多様なセクターの実務者が世界中から参加し、各分野の高度な研究に加え、その広範な国際ネットワークを生かし、気候、水、海洋、生態系、エネルギー、経済など、人間活動を含む地球システムの相互関連性を分析し、課題解決に向けた統合的な知見を創出しています。これらの知見を通して、あらゆるレベルの科学-政策-実践の接点において、科学的根拠に基づいた意思決定を支援しています。

2021年8月、地球研が運営してきたFuture Earthアジア地域センターと、日本ハブ(東京)が合併し、新たなFuture Earth国際事務局日本ハブが誕生しました。新・日本ハブは、研究プロジェクトの調整やマネジメント、テーマや地域を超えた協力、主要なパートナーとの連携など、Future Earthのグローバルな運営を担うとともに、アジアに焦点を置いた研究ネットワークや研究計画の開発を進めています。また、主にアジアの若手研究者を対象にした超学際研究の研修、TERRA スクール(Transdisciplinarity forEarlycareeR Researchers in Asia School)を実施し、人材育成に取り組んでいます。さらに、Future Earthは社会との知の共創のしくみとして「知と実践のネットワーク」(Knowledge-Action Networks: KANs)を設けており、地球研は、「持続可能な消費と生産のシステム」に関するKANの事務局としてその活動を主導し、国内外の多くの研究者や実践者とともに研究活動を展開しています。

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TERRAスクールの参加者はLINKAGEプロジェクトが開発した水資源をテーマにしたボードゲームに挑戦した。

TERRAスクールの参加者はLINKAGEプロジェクトが開発した水資源をテーマにしたボードゲームに挑戦した。

TERRAスクールでは、京都市近郊の有機農業家の畑を訪ね、地元行政との給食などに関する連携について学んだ。

TERRAスクールでは、京都市近郊の有機農業家の畑を訪ね、地元行政との給食などに関する連携について学んだ。

アジアにおけるFuture Earthの活動の詳細はこちら


カーボン・ニュートラル達成に貢献する大学等コアリション

大学等コアリション(以下、コアリション)は、カーボンニュートラル達成に向けた取組を大学等から地域、国、世界へと展開させること、発信を通じて社会の在り方等によりよい変化をもたらすことに貢献することを目的に2021年7月29日に設立されました。2024年4月1日時点で214の大学等が参加しています。地球研は、コアリションの事務局として全体的な運営を行っています。

昨今、国内外での議論が急速に高まっているカーボンニュートラルの実現に向けて、国、地方自治体、大学、企業等のあらゆる主体がそれぞれの立場や強みに応じて一丸となって取り組むことが必要であり、なかでも、国や地域の政策や技術革新の基盤となる科学的知見を創出し、その知を普及する使命を持つ大学が国内外に果たすことのできる役割は極めて大きいと考えられています。大学と地域が連携し、地域の脱炭素化を進めること、そのモデルを国や世界に展開していくことをはじめとして、地域における大学の機能はますます重要になってきています。

このような観点から、文部科学省、経済産業省および環境省による協力のもと、カーボンニュートラルに向けた積極的な取組を行っている、または取組の強化を検討する大学等による情報共有や発信等の場として、「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」が立ち上がりました。

コアリションは、その目的を達成するために現在5つのワーキンググループ(ゼロカーボン・キャンパスWG、地域ゼロカーボンWG、イノベーションWG、人材育成WG、国際連携・協力WG)による活動を展開しています。

コアリションの事務局を務める地球研は、214の参加機関の代表者(学長等)が集まりコアリションの活動方針や進捗管理を行う総会(議長は地球研所長)や総会の決定する規則や活動方針に基づくコアリションの管理運営を行う運営委員会の開催、コアリション全体シンポジウムの主催、および5つのWGにおける日常的な活動の支援を行っています。

5つのワーキンググループの活動

5つのワーキンググループの活動

カーボン・ニュートラル達成に貢献する大学等コアリション


京都気候変動適応センター

京都気候変動適応センター

2021年7月14日、京都府、京都市および総合地球環境学研究所は、同日付けで締結した「京都気候変動適応センター設置に関する協定」のもと、地域から自然と社会の状況に応じた気候変動適応の推進に資するため、「京都気候変動適応センター」の事務局を地球研に設置しました。

今、私たちは、人類文明がひき起こした地球規模での環境変動により、「人新世」という地球史の新たな時代に入ったといわれ、多くの人の生活とその持続性に深刻な影響をもたらすさまざまな地球環境問題に直面しています。これらの問題は、地球社会全体で考えるべきであると同時に、私たちが現実に暮らす多様な地域ごとに考えていく必要があります。もっとも重大な地球環境問題のひとつである気候変動問題の解決には、その主な原因であるCO2をはじめとする温室効果ガスの排出を地球全体で抑制し気候変動を緩和しようという取り組みとともに、すぐには元に戻らない気候条件に対して、各地域特有の自然とそれに対応した歴史と文化を持った地域社会が、どのように適応していくべきかを同時に考えていく必要があります。この地球規模での緩和と地域ごとの適応の両面からの取り組みなしに、気候変動問題の解決はありえません。京都気候変動適応センターは、気候変動問題の包括的な解決に向けて、京都という長い文化・歴史をもった地域を視座において自然と社会のあり方を考え、地球規模での解決につなげる道を探っていくことをミッションと考えています。

本センターは、国の「気候変動適応法」の趣旨に基づき、こうした気候変動に適応するための京都における取り組みを京都府・京都市・地球研の協働によって促進することを目的として設置したものです。以下の項目にあるような気候変動の影響や適応策に関する情報収集と分析・研究を進め、これらの成果を発信する拠点として活動していきます。

  1. 気候変動の影響および適応に関する情報の収集・整理・分析および気候変動影響の予測・評価
  2. 大学や他の研究機関との連携による気候変動の影響および適応に関する最新の知見の集約
  3. 気候変動の影響および適応に関する情報の発信、府民や事業者への普及啓発
  4. 気候変動適応策の自立的な普及に向けた適応ビジネスの創出の支援
  5. 国および国立研究開発法人国立環境研究所等、関連機関との情報共有と連携

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適応策の取り組みの5つの視点

適応策の取り組みの5つの視点

京都気候変動適応センター


上廣環境日本学センター

「環境日本学」は、人間と自然を分断せず、もろとものエコシステムを共創することで、人間中心主義を超えて、人と自然の未来可能性を探求するものです。本研究センターは公益財団法人上廣倫理財団からの寄附による寄附研究部門として設置されました。

〈ミッション〉

  1. 「環境日本学」を確立し、国内外へ発信し、その普及と実践を目指す
  2. 均質化する人間と自然の境界における環境課題に焦点をあて、日本の伝統知や在来知に隠されている感性を掘り起こし、コミュニティの再生を目指す
  3. 地域社会と連携し、ローカル、ナショナル、グローバル、各ステージを貫くダイナミックなコモンズ価値を拓く人財育成を目指す

〈活動内容〉

  1. 「人間にとって環境とは何か」という問いをめぐる国際的な研究・教育プログラムの開発
  2. 人間と自然が相即相入し、互いに働きかける領域で生成される“フィールドの力”と過去、現在、未来を繋ぐ文化的コミュニティを喚起する
  3. 「環境日本学」プログラムの理論と実践の体系化を行い、日本から世界へ発信する

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上廣環境日本学センター

上廣環境日本学センター