カラホトは、西夏・モンゴル時代に交通・軍事の要衝として栄えた歴史的にきわめて重要な都市です。また近年カラホトからは漢文はもとよりモンゴル語、チベット語、ペルシャ語、アラビア語、西夏語などで書かれた多数の貴重な文書が発掘されています。しかしこれら史料の解読研究は敦煌文書ほど進んでいません。また、乾燥地帯に位置するカラホト盛衰の歴史は、地球規模変動などに影響される黒河の盛衰とも深く結びついていますが、カラホトと自然環境との関わりに関する調査研究も充分ではありませんでした。本シンポジウムでは、人と自然とのかかわりという視点でその歴史を総合的に見直すことによって、カラホトが教えてくれることを再認識し、敦煌に勝るとも劣らない同地の重要性をクローズアップしたいと思います。