アートとエコロジー、両者の対話がいま求められています。
両者の接続そのものには、もはや目新しさはないかもしれません。環境問題が注目され始めた1960年代末から、アートの現場では、いわゆるアース・ワークにはじまり、エコロジカルなコンセプトを導入する様々な試みがなされてきました。
エコロジーを手がかりにすることが、アートにとってどんな意味があるのか。逆にアートによる表現を、エコロジーはどう受けとめるべきなのか。いま問われているのは、その内実、つまり単にコンセプトを結びつけるだけでなく、融合し深めること。
エコロジーの側についていえば、これはずっと急務な課題といえます。温暖化に象徴されるように、地球環境に対する問題意識がひろく社会一般に共有された感がある一方、実態は抜本的な打開策を見いだせないまま、出口なしの袋小路に入ったかのよう。ともすると、私たちの日常的な環境認識、つまり環境をそのときどきに感受する能力、感性までも萎えかねないのが現状です。
現代アートの最前線で活躍されてきた長谷川さんなら、きっと皆さん一人ひとりの感性に響く作品を明快な語り口でご紹介くださることでしょう。エコロジーを手がかりに新たな基軸を切り開きつつあるアートの動向をうかがいつつ、自然や環境を感受する感性のありようを探っていくのが今回のねらい。眠りかけていた感性を呼び覚ます機会になれば幸いです。
みなさまのご参加、心よりお待ちしております。