実践プログラム

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実践プログラム1

環境変動に柔軟に対処しうる社会への転換

18世紀の免定(年貢の請求書)に書かれた残高(琵琶湖周辺の3ヶ村の平均)と、中部日本の年輪酸素同位体比から復元された夏の降水量の年々変化(平均をゼロとして規格化して表示)。琵琶湖周辺では、水害が農業生産の最大の阻害要因だったことが分かる。

18世紀の免定(年貢の請求書)に書かれた残高(琵琶湖周辺の3ヶ村の平均)と、中部日本の年輪酸素同位体比から復元された夏の降水量の年々変化(平均をゼロとして規格化して表示)。琵琶湖周辺では、水害が農業生産の最大の阻害要因だったことが分かる。

近江国滋賀郡本堅田村の免定〔元文元年(1736)〕

近江国滋賀郡本堅田村の免定〔元文元年(1736)〕

スマトラ島で発生した泥炭地火災(インドネシア共和国リアウ州)。熱帯泥炭湿地の開発は、時に大規模な森林火災の原因ともなり、広い範囲で人々の健康を脅かす。

スマトラ島で発生した泥炭地火災(インドネシア共和国リアウ州)。熱帯泥炭湿地の開発は、時に大規模な森林火災の原因ともなり、広い範囲で人々の健康を脅かす

地球環境の持続性は、人類にとって本質的な重要性を持つ課題です。われわれの社会は、人間活動に起因する環境変動(地球温暖化、大気汚染などを含む)と自然災害に柔軟に対処できるものに変わっていかなければなりません。そのためには、環境変動や自然災害の問題が、生存基盤の確保、貧困・格差、戦争・紛争といった社会問題とどのように複雑に絡みあっているかを明らかにし、その双方を見据えた社会の転換につなげていく必要があります。本プログラムは、そのために必要な知識を総合し、具体的な選択肢を提案することをめざしています。

第一に「アジア型発展径路」の研究を推進します。アジア地域の多様な社会体制と経済発展の中で起こっている環境問題を取り上げ、各地域の政治的経済的条件や文化的社会的な潜在力を明らかにします。さらにアジア各地域社会と欧米社会の発展径路を比較し、それぞれの径路の優位性を評価した上で、自然科学の新しい知見や技術革新を活用して現代の環境問題に対処する道筋を考えます。

第二に、人間の「生存動機」を多面的に解明します。社会の持続性を確保するには、生存、利潤、統治、保全の4つの動機が適切に働くことが必要であり、それにふさわしい価値観と制度が機能する社会を作らねばなりません。フィールドワークの現場から政策担当者、国際機関に至るまで、多様な立場の人たちと連携することによって、激しく変化する現実の課題を可視化すると同時に、学術研究を課題解決へと方向づけます。

集合写真

メンバー

プログラムディレクター

氏名所属
杉原 薫総合地球環境学研究所特任教授

経済学博士。ロンドン大学SOAS、京都大学、東京大学、政策研究大学院大学などで、経済学、歴史学、地域研究、政策研究の分野の教育研究に従事。経済史、環境史の立場から、日本、アジアから見たグローバル・ヒストリーを考えています。

プログラム研究員

氏名所属
諸田 博昭プログラム研究員
谷中 紘子プログラム研究推進員
山本  文プログラム研究推進員

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実践プログラム2

多様な資源の公正な利用と管理

熱帯林の木材(マレーシア)

熱帯林の木材(マレーシア)

インドの農林地帯

インドの農林地帯

さまざまな資源はお互いに関連しあっていて、単一の資源問題を切り離して解決しても全体の問題解決に至らない場合がたくさんあることがわかってきました。また、資源は地域から地球レベルまでさまざまな空間スケールで多様なステークホルダーによって生産・流通・消費されており、それらのプロセスを通じて公正に利用・管理するしくみと評価方法が必要になっています。さらに、持続可能で豊かな社会の実現には、再生可能な自然資源の賢い利用が鍵となっています。アジアは、急速な経済成長や人口増加、都市化などを背景とした大きな変化が起こっているものの、豊かな自然と文化に結びついた持続性の高い資源利用の伝統も残っており、私たちの将来像に大きな示唆を与えています。このプログラムでは、地球研がこれまで行なってきた研究の成果を生かし、多様な資源を、さまざまな空間スケールで、多様なステークホルダーで、公正な利用ための手法を探ります。

集合写真

メンバー

プログラムディレクター

氏名所属
中静 透総合地球環境学研究所特任教授

理学博士。専門は森林生態学、生物多様性科学。森林総合研究所、京都大学生態学研究センター、総合地球環境学研究所などで、森林の持続的管理と生物多様性、生態系サービスなどを研究。プログラムとしては、生態資源や文化資源を含む多様な資源の公正な利用について取り組みます。

プログラム研究員

氏名所属
小林 邦彦プログラム研究員
柴田  嶺プログラム研究員
唐津ふきこプログラム研究推進員

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実践プログラム3

豊かさの向上を実現する生活圏の構築

市場で販売される果物や野菜の種類は経済の発展とともに変化していく(タイ・チェンマイ)

市場で販売される果物や野菜の種類は経済の発展とともに変化していく(タイ・チェンマイ)

コンポストトイレのワークショップ(ブルキナファソ)

コンポストトイレのワークショップ(ブルキナファソ)

日本を含むアジアとその周辺地域は、世界人口の6割以上を擁し、世界の経済活動の3割以上を担っています。この地域は、あらゆる面で多様性に富んでいる一方、人間活動の急速な拡大により、環境破壊、温室効果ガス排出の増大、生物多様性の消失などを経験しています。同時に、貧富の差の拡大、社会的疎外、失業、局所的な貧困、地域固有の伝統文化の消失なども経験しています。

これらのプロセスで、都市域への人口集中や農山漁村域での過疎化にともない、社会、文化、資源、生態環境の急激な変容が起こり、両者の暮らしの場(生活圏)の劣化が加速しています。そこで、両者の連環を視野に入れ、豊かで持続可能な暮らしの場とは何かを考え、それを実現するための具体的な枠組みを作り、地域における経験や知恵を生かし、多様な自然と人間が共存しうる具体的な未来可能性のある社会への変革の提案をめざします。

これらの枠組みや変革は、既存の市場を基礎とする経済システムや政治的意思決定システムを前提とするものではなく、それらを根本的に変えてしまうもの、ないしは補うものとなるでしょう。ただし、トップダウンのみでシステムの変革を考察するのではなく、さまざまなステークホルダーの皆さんと共に持続可能なシステムを提案し、その実現可能性を探ります。

そのような提案は、地域に応じたものとなる可能性が大かもしれませんが、ある特定の地域のみに適用可能な提案というよりも、多様性を保ちつつ、何らかの一般的な枠組みの発見をめざしたいと考えています。

集合写真

メンバー

プログラムディレクター

氏名所属
西條辰義総合地球環境学研究所特任教授

社会の人びとの活力を保ちつつ、社会の目標である持続可能性や公平性も達成するしくみを設計することをめざしてきました。今の世代の人びとばかりでなく、将来の人びとも幸せになる社会の仕組みとは何かという問いかけのもと、フューチャー・デザインを考え始めています。

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大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
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