現在、世界は新型コロナウイルス感染症により危機的な状況にありますが、この危機に直面するずっと以前から、私たちは急速な温暖化が引き起こす自然災害に脅かされ続けてきました。この急速な温暖化は、温室効果ガス、すなわち二酸化炭素の排出に起因していることが数々の研究からわかっています。
そうした中、昨年度に地球研の招へい外国人研究員であったワシントン州立大学のティム・コーラー教授を含む国際的な研究チームは、過去数千年間に渡って、人類の大部分は年平均気温が摂氏約11度から15度であるような地域に住んできたことを明らかにしました。
さらに、このまま温室効果ガスの排出が続けば、今から50年以内、すなわち2070年には、全人類の約3分の1が、年平均気温が29度以上の、現在のサハラ砂漠の最も高温な場所に該当するような灼熱の地域に住まざるをえなくなる危機に直面する、という予測も導き出しました。
研究グループは「こうした事態を回避するために、一刻も早い温室効果ガスの排出削減が急務である」と提言しています。