中塚武教授が地球化学研究協会学術賞「第45回三宅賞」を受賞

2017年11月、地球研・中塚武教授が地球化学研究協会「第45回三宅賞」を受賞しました。

「地球化学研究協会」は、地球環境を化学的な手法によって研究する学問である「地球化学」が、地球の進化や将来を考える上で様々な分野とも深く関わり、人類の生活環境を守り、地球資源を人々により役立つものとするために不可欠な学問であることから、その研究の推進と普及をはかるために設立されたものです。

このたび中塚教授の受賞した「三宅賞」は協会の設立者故・三宅泰雄博士を記念して作られた賞で、地球化学の研究に顕著な業績を収めた科学者に贈呈されるものです。

中塚教授は、これまで過去の環境及びその背後にあるプロセスの研究に新たな局面を切り開らき、熱分解元素分析計と同位体比質量分析計の組み合わせからなる有機物の酸素同位体比の測定手法を大きく改革しました。開発した手法を樹木年輪に応用し、日本やアジアのモンスーン地域では樹木年輪セルロースの酸素同位体比が湿度の鋭敏なプロシキになっていることを発見しました。さらに近年は文理融合の研究として、当研究所にて高時間解像度での気候の復元を推進し、過去3000年を対象に、歴史学・考古学の研究者と連携し、気候変動と人間社会との関係の解析を進める研究プロジェクト「高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索」を実施し、気候に関する精密な理系の分析・解析を土台として、人間社会への影響を推定しました。

これらの先駆的な研究成果は国内外の気候学、歴史学、考古学の研究者の間で高い評価を受け、またマスコミなど社会からも幅広い関心を集めており、今後の地球科学の発展に大きな貢献をなすものと評価されました。

2017年12月2日(土)霞が関ビル35階東海大学校友会館にて開催された霞が関環境講座において、中塚教授の受賞記念講演「樹木年輪酸素同位体比を用いた高時間分解能による古気候学の推進と歴史学・考古学への応用」が行われました。

受賞記念講演会を行う中塚武教授

受賞記念講演会を行う中塚武教授

受賞した中塚武教授

受賞した中塚武教授

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