2016年2月12日(金)、総合地球環境学研究所は福井県大野市(岡田高大 大野市長)と学術交流に関する包括協定を締結しました。
福井県大野市は、豊かな湧水を生かし、環境保全に配慮した町づくりに長年取り組んでおり、その活動に対して、2013年7月に日本水大賞の環境大臣賞を受賞しています。地球研は大野市からの研究依頼(受託研究)を受けて、2014年度から水環境分析に関する共同研究を行なっています。地球研が主催する同位体環境学シンポジウムの後援機関として、市職員が毎年参加するなど、地域環境研究のパートナーとして協力関係を築いてきました。
この交流協定の目的は、地域の活性化と地球環境の保全に向けて、大野市との連携を強化し交流を促進することにあります。大野市は「結の町」として、農業を中心とする産業の振興に加えて、天然記念物のイトヨに代表される生態系の保全や昨年制定された水循環基本法のモデル都市となるよう、環境教育の充実や他地域との結びつきを一体化した町づくりを目指しています。地球研は、各地の住民、自治体との結びつきを今後さらに強めることで、共同研究と人材育成のネットワークを進め、新しい研究の可能性を広げることを目指しています。この協定を契機に、超学際研究の先行事例として、大野市の皆様とともに、市内の水を中心に生き物や農産物について安定同位体などの分析を進め、そこから得られる知見を教育や市の施策に反映させる取組みをさらに促進していきたいと考えています。
2月12日に調印式が大野市役所で行なわれ、安成哲三地球研所長などが出席し、岡田高大市長と安成所長が協定書に署名を交わしました。