【開催報告】 第76回地球研市民セミナー

「中国の環境問題と向き合って―風上・風下論を超えた環境協力の可能性」

2018年3月23日(金)に2017年度最後の地球研市民セミナーを「中国の環境問題と向き合って―風上・風下論を超えた環境協力の可能性」と題してハートピア京都にて開催し、79名の方々にお越しいただきました。今回の講師は、「民族 / 国家の交錯と生業変化を軸とした環境史の解明——中央ユーラシア半乾燥域の変遷」プロジェクト(2011年終了)や「統合的水資源管理のための「水土の知」を設える」プロジェクト(2015年終了)でリーダーを務めていた窪田順平副所長です。窪田副所長は、これまで自身が研究してきた中国での水資源に関する問題や現状について紹介しました。また、グローバリゼーションの中で、単なる汚染の「風上・風下」論だけではとらえられない状況が生じており、課題の解決に向けてとりうる選択肢を長年中国と向き合ってきた視点で提示しました。特に、変わりゆく中国の現状を踏まえて、日本が環境問題にどのように取り組んできたか、過去の経験を正しく伝える重要性や、中国と日本が協力して環境問題を解決していくにあたり、外交や国際的な取り決めと並行して、研究者同士の交流が信頼の醸成に果たす役割の観点から重要になってくるのではないかと述べました。

続いて、三村豊センター研究推進員が聞き手となり、講師と対談しました。「行政は住民との環境保全の連携をどのようにしていくべきか」「自然に負荷をかけない古来の生活に戻した方がよいのか」など、会場から途切れることなく多くの質問があり、活発なやりとりが交わされました。

地球研市民セミナーは、地球研に関わる研究者が最新の研究について、その過程も含めてお伝えする一般の方向けイベントです。地球研や京都市内で年に数回開催しています。専門用語や難しい概念を使用せず、地球研の最新の研究成果や環境の大切さを伝えるように努めていますので、お気軽にお越しください。次回につきましては、詳細が決まり次第、ウェブサイトにてお知らせします。ご来場をお待ちしています。

■当日の様子

聴衆に語りかける窪田副所長

聴衆に語りかける窪田副所長

窪田副所長(左)と三村研究推進員(右)による対談

窪田副所長(左)と三村研究推進員(右)
による対談

会場となったハートピア京都

会場となったハートピア京都

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