HOME > トピックス〈研究関連〉一覧:2013年 > 11月1日-2日(開催案内)

2013年度シベリアプロジェクト全体会議

総合地球環境学研究所「温暖化するシベリアの自然と人—水環境をはじめとする陸域生態系変化への社会の適応」プロジェクトでは、下記の要領で、全体会議を開催致します。

日   時: 2013年11月1日(金)~11月2日(土)
場   所: 北海道大学・地球環境科学院 大講堂(D201室)(矢印アクセス
2013年11月1日(金)
< 9:30-12:00 >
洪水セッション
  「氷融洪水とその社会対応から見る極北圏地域社会の比較研究」
  (共催:東北大学東北アジア研究センター共同研究)
【趣   旨】
本年7月のWSに引き続き、気候変動がレナ川の洪水現象にどのように影響し、それが人間社会に何をもたらしているのか、分野横断的にそれぞれの知見をもちいることで総合化する。この総合化を効果的におこなうために、それぞれの研究発表を踏まえ、以下の3点について、講演者は自身の意見を述べる。
(1)温暖化の結果、洪水は増加(減少)する。
(2)温暖化から人々の生活にどのような影響があると考えられるか。
(3)レナ川流域における洪水適応策はどのように構築されるべきか。
【プログラム】
○朴 昊澤(JAMSTEC)
      河川流出量への季節積雪変化の影響
○酒井 徹(地球研)
      人工衛星から見た春洪水と夏洪水
○吉川泰弘(北見工業大)
      気温データに基づく氷板厚変動とアイスジャム洪水発生に関する検討
○高倉浩樹(東北大学)
      レナ川洪水への適応を巡る社会比較
○藤原潤子(地球研)
      サハにおける洪水リスクと移住
○討論(座長:高倉浩樹)
< 昼食(12:00-13:15) >
< 13:15-16:30 >
資源動物セッション
  「資源動物と北方少数民族のかかわり」
【趣   旨】
温暖化はシベリアの植生と水環境に影響を及ぼす。本セッションでは、トナカイの成育に阻害となる春秋の氷板形成を念頭に置きながら、家畜トナカイのキャンプ地周辺や野生トナカイの移動ルート沿いの微地形と植生に着目し、資源動物としての家畜トナカイと牧民がしなやかに適応できている理由を探る。また野生トナカイの動物行動学的な適応に関わる研究を進め、北米と北欧との比較からシベリアの野生トナカイの特徴を抽出する。加えて、地球温暖化が毛皮獣や外来種に与える影響、地球温暖化と社会変化がトナカイ牧民経済に与える影響分析についても議論する。
【プログラム】
○中田 篤(北海道立北方民族博物館)
      トナカイ牧畜と環境変化:トンポ・オイミャコン
○吉田 睦(千葉大学)
      トナカイ牧畜と環境変化:セビャン・オレニョク
○山口 靖(名古屋大学)
      衛星データ(ASTER等)を用いた植生変化解析(仮題)
○山本一清(名古屋大学)
      衛星データ(MODIS等)を用いた植生変化解析(仮題)
○立澤史郎(北海道大学)
      野生トナカイの土地利用変化と利用者(北方少数民族)の対応
○池田 透(北海道大学)
      地球温暖化が毛皮獣および外来種に与える影響
○加賀爪優(京都大学)
      地球温暖化と社会変化がトナカイ牧民経済に与える影響(仮題)
○討論(座長:立澤史郎)
< 16:45-18:00 >
総合討論①
2013年11月2日(土)
< 9:30-12:00 >
伝承セッション
  「温暖化と湿潤化に対する人々の適応:フォークロアからの考察」
【趣   旨】
本プロジェクトの中心概念である温暖化と湿潤化に対する社会そして人々の適応を、伝承・神話などのフォークロアをもとに考察する。東シベリア(サハ)に限らず、アリュートル、ドイツ語圏など、様々な寒冷地での事例をベースに議論する。
【プログラム】
○永山ゆかり(北海道大学)
      アリュートルの水・雪・氷に関する伝承
○江畑冬生(新潟大学)
      サハのフォークロアに見る水・雪・氷
○荏原小百合(北海道大学)
      水・雪・氷に関する伝承-サハの歌から-(仮題)
○山田仁史(東北大学)
      ドイツ語圏民俗学における雪と氷の諸観念
○討論(座長:山田仁史)
< 昼食(12:00-13:15) >
< 13:15-15:45 >
モデルセッション
  「凍土生態系(熱・水・物質輸送)モデルの改良」
【趣   旨】
水・熱輸送を正確に表現でき、地表層の凍結・融解過程を再現可能な数値モデルを開発・改良する。それに水文流出モデルを結合させることで、温暖化にともなう水・物質の動態を再現・予測できるようにする。一方、気候-植生フィードバックシステムをモデル化することで、シベリア域での温暖化増幅メカニズム解明に向けた足掛かりとする。
【プログラム】
○山崎 剛(東北大学)
      1次元モデル2LMの改良と東シベリアにおける結果
○八田茂実(苫小牧工業高等専門学校)
      2LMに対応した流出モデルへの移行について
○朴 昊澤(JAMSTEC)
      積雪変化が土壌熱環境に及ぼす影響評価
○佐々井崇博(名古屋大学)
      土壌物理プロセスを改良した陸域生物圏モデルBEAMSによる
      シベリア全域のNEP変動要因解析
○討論(座長:山崎 剛)
< 16:00-17:00 >
総合討論②
【お問い合せ】
檜山 哲哉
(総合地球環境学研究所准教授)

総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2456
FAX:075-707-2508