秋道智彌教授 特別講演会
海と魚を語る

総合地球環境学研究所では、下記の通り講演会を開催いたします。
詳細チラシはこちら(PDF)です。
【日    時】
平成24年3月22日(木)15:30〜17:00 (15:00 開場)
【会    場】
京都ブライトンホテル(英の間)(矢印 アクセス)
(京都市上京区新町通中立売(御所西))
【定    員】
申込み先着250 名
※定員に達し次第、申込みを締め切らせていただきます。※申し込みは締め切りました
【主    催】
総合地球環境学研究所
【後    援】
京都府・京都市
【講演について】
講演者紹介
秋道智彌 Akimichi Tomoya
総合地球環境学研究所教授、東京大学大学院修了。国立民族学博物館教授・研究部長を経て現職。専門は生態人類学、海洋民族学。自然と人間の多様な関わりとその歴史について、生態人類学の立場から研究。著書に『コモンズの地球史』(2010)『クジラは誰のものか』(2009)、編著に『日本の環境思想の基層』(2012)『資源とコモンズ』(2008)など。大同生命地域研究奨励賞受賞。京都市教育委員、海洋政策研究財団ニューズレター編集委員長など。
海と魚を語る
大学院時代からこれまで、アジア・オセアニア地域の海や川べりを訪れてきた。現場で漁に参加し、獲れた魚を食べる。魚の獲り方や漁にかかわる人びとの知恵を聞き出す日々はじつに愉快であった。
足かけ40 年に及んだ研究の地域と課題は年代とともに変化した。1970 〜 1980 年代はオセアニア各地で、1990年代はインドネシア、タイ、ベトナムなど、東南アジアの海域を中心に調査をおこなった。ここまでは、わたしが国立民族学博物館(吹田市)に在職した時代にほぼあたる。2000 年代初頭から現在までは、おもに中国や東南アジア大陸部の河川や湖を訪れた。その間は総合地球環境学研究所(京都市)に勤めた期間にあたる。調査地域は中国雲南省から東南アジア、オセアニア地域にわたっているが、研究自体はヒトと環境との相互関係やヒトと海や水界とのかかわりとその歴史を一貫して扱ってきた。
問題意識からすると、集団による自然の認識と実践、資源の利用と管理に関するテーマを中心に手掛けてきた。この点で、最近刊行した『生態史から読み解く環・境・学』(昭和堂、2011年)のなかで指摘したように、「なわばり」と「つながり」を二つの分析軸としてヒトと自然とのかかわりを体系化する研究を実施してきたとまとめることができる。
陸域中心の史観からは排除ないし軽視されてきた海の研究は、いま大きな注目を集めている。そして、水産資源の乱獲、生物多様性の減少、海洋汚染、温暖化など、全球的に取り組むべき問題をそれぞれの地域に根ざした課題として挑戦すべきときなのだ。日本でも、里海とローカル・コモンズの発想は海の研究のキーワードとなっている。これまでの経験と蓄積を、今後の海と魚の未来に生かすことができるだろうか。海のコモンズ論の構築に向けて、ともに語りあえる仲間といっしょに海辺を歩く旅を続けたい。
【申し込み・お問い合わせ】
総合地球環境学研究所 総務課企画室
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