まちの未来を考えるためには、「まちリテラシー」が必要です。現状を良く知り、そこからビジョンを構築し、そして、みずからの手で関与する、そんなことが「まちリテラシー」の意味合いです。100人に27枚撮りのレンズ付きフィルム(“写ルンです”)をお渡しし、春うららかな岡崎のまちを自由にゆったりと散歩しつつ撮影してもらいます。ひとり27枚×100人の京都岡崎の風景がそこに切り取られます。写真で写すことはまちを良く知ることの最も重要な手段です。そして、同時にそれは現在を記憶する方法でもあります。
1895年の内国博覧会を契機に多くの施設が集まった岡崎の地は、東京の上野と同様に京都ばかりか日本中の人々によって、文化の中心として100年を越えて生き続けてきています。そして、この京都は、日本人の自然への関わりの指標ともなっています。2012年3月初旬、「巣ごもり虫戸を開」き、「桃始めて笑う」(72候)頃、京都・岡崎に会して、春の訪れを感じつつ、目の前に広がる自然と人工とひとびとの風景を写真に収めて「まちリテラシー」を高める、「京都・岡崎百人百景」を企画いたします。なお、回収したフィルムはすべてそのまま現像/プリントし、4月下旬に総合地球環境学研究所、5月中旬に岡崎のギャラリーにて展示会をおこない、優秀作品を10点選出し、表彰します。(村松 伸:総合地球環境学研究所)