HOME > トピックス〈一般〉一覧:2010年 > 3月3日,3月4日,3月12日,3月23日,3月30日(開催案内)

未来環境デザインセミナー

I 「生命的共同体をデザインする−場の理論−」

清水博 (東京大学名誉教授、NPO法人場の研究所所長)

内容
講演者プロフィール

II 「都市空間をデザインする」

塚本由晴 (建築家、東京工業大学大学院准教授)

内容
講演者プロフィール

III 「経済システムをデザインする」

高安秀樹 ((株)ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー)

内容
講演者プロフィール

IV 「自然もデザインする−非線形科学から−」

蔵本由紀 (京都大学名誉教授)

内容
講演者プロフィール

V 「サステイナビリティをデザインする」

岡部明子 (建築家、千葉大学准教授)

内容
講演者プロフィール

時  間: 14:00〜16:30 (講演:1時間/対談・質疑:1時間半)
*ただし I のみ16:00〜18:30
場  所: 総合地球環境学研究所 講演室 (アクセス
*ただし III のみセミナー室
備 考: 申込不要・参加無料
チラシ(PDF: 1.32MB)
【趣 旨】
環境問題は単なる技術的対応では解決できない困難な問題でもあり、文理の枠を超えたあらゆる分野の英知を結集する必要があるものです。地球研では、現在、こういった現状認識にもとづき、具体的な「処方箋」作成の方法論構築へ向けて模索をはじめています。現状の的確な把握を中心課題とする知的営みを「認識科学」と呼ぶとすれば、環境問題の解決につながる有形無形の「設計(デザイン)」のための方法論を探る「設計科学」への展開とも言い換えることができます。ところで、工学、医学、農学、薬学、などの各分野に目を転ずると、同様な問題に直面しながらも、「経験」、「熟練」、「直観」などにもとづいて実際的な解決の実績が豊富に蓄積しているものと考えられます。私たちはこういった分野の専門家との対話を通じて多くのことを学びとりたいと考えております。そこで、上記に関連する分野の専門家を交えた対話を通じて、環境問題解決のための「処方箋」作成の方法論を考えていくことを目的とし、連続セミナーを企画いたします。なお、本セミナーは、地球研の所員と招聘講師との対話を主たる目的とするものではありますが、一般にも公開し、広く意見交換のできる場としたいと考えています。
【各回の内容】
I 2010.03.03 (wed) 会場 : 地球研・講演室
生命論がご専門の清水博氏は、「生きているとはどういうことか」という根源的問いに端を発し、「場の思想」にたどり着きました。そのエッセンスをご紹介いただきながら、環境問題の解決とはどういうことか、そもそも未来の環境をデザインするとはどういうことなのか考えていきます。

聞き手:阿部健一(地球研教授)・大西健夫(岐阜大学助教)

II 2010. 03.04 (thu) 会場 : 地球研・講演室
人々が生き生きとするような都市空間を生み出す「建物のあり方」とは、どのようなものか? 建築家の塚本由晴氏から、「フォーマット」や「多様性」、「ふるまい」などご自身の建築のキーワードをご紹介いただきながら、豊かな都市空間のデザインについて考えていきます。

聞き手:林憲吾(地球研研究員)・源利文(地球研上級研究員)

III 2010.03.12 (fri) 会場 : 地球研・セミナー室3/4
エコノフィジックス(経済物理学)の発達により経済システムに対する深い理解が得られるようになってきました。統計物理学者の高安秀樹氏にこれらの成果を紹介していただきながら、環境問題解決にとってのあらたな経済システムのあり方とそのデザインの可能性を探っていきます。

聞き手:大西健夫(岐阜大学助教)・槙林啓介(地球研上級研究員)

IV 2010.03.23 (tue) 会場 : 地球研・講演室
非線形科学の成果は、身の回りの自然のありようをどのように捉えるのか、ということに多くの示唆を与えてくれます。理論物理学者の蔵本由紀氏に新たな自然認識のあり方を紹介していただきながら、自然に学ぶデザインのあり方を考えていきます。

聞き手:大西健夫(岐阜大学助教)・久米崇(地球研上級研究員)

V 2010.03.30 (tue) 会場 : 地球研・講演室
「サステイナブルシティ」を合言葉に、EUを中心にさまざまな都市・環境政策がこれまで実施されてきました。都市政策に精通した岡部明子氏から、こうした事例をご紹介いただくと共に、未来環境をデザインする上で求められる「サステイナビリティ」の姿とは何かに迫ります。

聞き手:村松伸(地球研教授)・花松泰倫(地球研研究員)・林憲吾(地球研研究員)

【講師プロフィール】
  • 清水博
    1932年生まれ。1956年、東京大学医学部薬学科卒業。九州大学理学部教授。東京大学薬学部教授を経て、金沢工業大学教授。2004年、NPO法人場の研究所を設立。同所長。東京大学名誉教授。専門は、生命関係学、場の生命論。著書は、『場の思想』(東京大学出版会、2003)、『生命知としての場の論理−柳生新陰流に見る』(中公新書)、『生命を捉えなおす』(中公新書)など。
  • 塚本由晴
    建築家、東京工業大学大学院准教授。1965年神奈川県生まれ。1987年東京工業大学工学部建築学科卒業。1987-88年パリ建築大学ベルビル校(U.P.8)。1992年に貝島桃代と共にアトリエ・ワン設立。ヴェネチア・ビエンナーレなど、国内外の美術、建築展で作品を発表。作品は、ミニ・ハウス(東京建築士会住宅建築賞金賞、吉岡賞)など多数。著書に、『メイド・イン・トーキョー』(鹿島出版会)、『空間の響き/響きの空間』(INAX出版)など。
  • 高安秀樹
    1958年生まれ。1985年、名古屋大学大学院理学研究科修了。理学博士。神戸大学理学部地球科学科助手・助教授を経て、1993年、東北大学大学院情報科学研究科教授に就任。1997年より、(株)ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門はフラクタル理論、統計物理学、エコノフィジックス。著書に『フラクタル』(朝倉書店)、『経済・情報・生命の臨界ゆらぎ』(共著、ダイアモンド社)、『エコノフィジックス−市場に潜む物理法則』(共著、日本経済新聞社)など。
  • 蔵本由紀
    1940年生まれ。理論物理学。京都大学名誉教授。同大学大学院理学研究科博士課程修了。京都大学理学部助教授、基礎物理学研究所教授、同大学院理学研究科教授、北海道大学大学院理学研究科COE特任教授等を歴任。現在、京都大学数理統計解析研究所客員教授。自然界の同期現象を数学的に説明した蔵本モデル(1975年)等の業績で世界的に知られる。「同期現象などをめぐる非線形科学の先駆的研究」により2005年度朝日賞受賞。著書に『新しい自然学』(岩波書店)、『非線形科学』(集英社新書)など。
  • 岡部明子
    建築家。千葉大学工学部デザイン工学科都市環境建築計画講座准教授。東京生まれ。東京大学で建築を学び、1985年に卒業。磯崎アトリエ(バルセロナ)勤務を経て1990年バルセロナにて独立。建築などのデザインを手がけると同時に、現在は、EUサステイナブルシティなどの地域・環境政策について調査研究をしている。著作に、『サステイナブルシティ−EUの地域・環境戦略』(学芸出版社)など。
【お問い合わせ先】
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所
「未来環境デザインセミナー」実行委員会
鞍田 崇(地球研・上級研究員)
〒603-8047  京都市北区上賀茂本山457-4
TEL:075-707-2382  FAX:075-707-2508
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