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第3回  ジャカルタ都市研究会
The 3rd Jakarta Seminar

このたび、「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト:そのメカニズム解明と未来可能性に向けた都市圏モデルの提案」プロジェクトでは、下記の通り、 第3回ジャカルタ都市研究会を実施いたします。

みなさま奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

詳細チラシはこちら (PDF)です。

日  時: 2009年12月7日(月) 13:00−16:00
会  場:

京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館 中会議室 (アクセス)

題  目:

インドネシア海大陸の気候・気象と人々の往来

講  師:

山中大学氏
(神戸大学理学研究科地球惑星科学専攻連携大学院客員教授)

コメンテーター:

杉原薫氏(京都大学東南アジア研究所教授)
(グローバルCOEプログラム
生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点リーダー)

主  催: 総合地球環境学研究所
「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」プロジェクト
(メガ都市プロジェクト 代表:村松伸)
京都大学東南アジア研究所GCOEプログラム
「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
【開催趣旨】

熱帯の気候は、日射(とその逆の放射冷却も)に敏感に反応して温度変化する陸地と、極めて鈍感な海洋との間で維持されている。豪亜両大陸の間、かつ印度・太平両洋の間にあって、海陸の混在するインドネシア海大陸では、海陸風とモンスーンがそれぞれ日・年周期の雨をもたらす。海大陸から遠く離れた海洋上では,それらの中間的(季節内変動)あるいは1年より長い周期(エルニーニョなど)で雲の巨大な塊が作られ、貿易風に逆らって東に進むので、印度洋のそれは海大陸にぶつかり、上陸後も生きながらえたものは太平洋上のそれとなる。このような海陸分布ができてから出現した人類は、当初は氷期の海面低下で出現した陸橋を、後に文明を得てからはモンスーンを利用して海大陸にやってきた。周期的に豊富に与えられる日射と雨水が育んだ熱帯雨林は、海大陸を人々の定住あるいは商売に格好の場所としたはずである。しかしその場所は、海大陸の中で一定せず、民族・時代によってかなり変わっている。現代のジャカルタとなったバタビアも、そのような気候変動と人類史が生んだ海大陸内の定住場所の一つであると考えられる。幾多の自然的・社会的困難を乗り越え今やG20の一国となったインドネシアの首都となったジャカルタは、温暖化する地球やボーダーレス化する人類の往来の中で今後どうなっていくのか。それを考えることは、もはやジャカルタ自身やインドネシア一国の問題ではなく、地球の気候と人類の将来を考えることにほかならないと言える。

 
参考文献:
山中のホームページ http://aoe.scitec.kobe-u.ac.jp/~mdy/
山中の現在のプロジェクトのホームページ
http://www.jamstec.go.jp/iorgc/harimau/HARIMAU_jp.html
最近の一般公開シンポジウムでの講演をまとめたもの
山中大学, 2008: 点を線に,線を面に: 東南アジアの大気観測ネットワーク.
「地球環境の心臓: 赤道大気の鼓動を聴く」(深尾昌一郎・山本衛(編)), 大
学と科学公開シンポジウム収録シリーズ, クバプロ, 144-155.
【お問合せ】
甲山 治 | KOZAN Osamu
(京都大学東南アジア研究所准教授)
京都大学東南アジア研究所
〒606-8501
京都市左京区吉田下阿達町46東棟401
TEL:075-753-9652
京都大学東南アジア研究所のホームページ
林 憲吾 | HAYASHI Kengo
(総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員)

総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2340 (直通) / 2353
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