第28回 レジリアンス研究会

  「社会・生態システムの脆弱性とレジリアンス」プロジェクト(E-04 レジリアンスプロジェクト)では、インディアナ大学地理学科准教授Tom P. Evansによる第28回レジリアンス研究会を、8月3日(月)に下記の要領で開催いたします。ぜひご参加下さるようお願いいたします。使用言語は英語です。

日 時: 2009年8月3日(月) 15:00-16:00
会 場: 総合地球環境学研究所  セミナー室 3・4 (アクセス)
タイトル: 「コモンプール資源システムの制度分析のための空間構造」
講演者: Dr. Tom P. Evans, Department of Geography, Indiana University, Indiana, U.S.A.
言  語: 英  語
要    旨:

コモンプール資源システム(CPR)の動態は、多様な社会・経済および生物物理的プロセスによって生ずる。それらのシステムの空間構造はしばしば資源管理(森林、水、漁業資源)に影響を及ぼし、それらの資源がどの様に利用されるかを統治しながら制度や規則も発達させてきた。先行研究では、どの様な制度が社会・生態システム(SES)をレジリアントもしくは持続可能にするかを説明するためのフレームワークを扱っていたが、これらのシステムに固有の空間的関連を明確にはしていなかった。本研究の目的は、アクターと資源、そしてそのSES内の関係を、人間と環境の相互作用に固有の空間的関係に焦点を当てて記述するためのオントロジーを開発することである。コンピューターサイエンスではこのオントロジーという用語は概念的フレームワークの実行を意味する。分析のためには、オントロジーは個別のケース・スタディのデータをサイト共通のフォーマルなデータベースとして解釈するために利用される。このオントロジーを使って、どの空間構造がSESのレジリアンスや持続可能性に貢献しているのかを検討する。SESの多くの要素は明示的に空間的特長を持っており、それが部分的にアクターの近辺で資源や土地所有の規模へ影響を与えている。ここで提示するオントロジーは、システム内のアクターと資源に焦点を当て、空間的な特徴とシステムの動態に影響している制度的要因を関係づける。3つのケース・スタディ(アメリカ中西部の共有林、アメリカ南西部の灌漑ネットワーク、メキシコの漁業システム)から、どの様にこのオントロジーのフレームワークが個別のコモンプール資源システムおよび社会・生態システム一般に応用可能かを提示する。

 

  お問い合わせ:

  Thamana Lekprichakul

人間文化研究機構 総合地球環境学研究所(RIHN)
上級研究員(レジリアンスプロジェクト)
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4
TEL:075-707-2208  FAX:075-707-2506
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