HOME > トピックス〈研究関連〉一覧:2009年 >7月17・24日 (開催案内)

第2回  全球都市全史研究講演会
The 2nd Whole Earth Urban Historical Research Seminar

メガシティが地球環境に及ぼすインパクト:そのメカニズム解明と未来可能性に向けた都市圏モデルの提案」 プロジェクト内の全球都市全史研究チームでは、 下記の要領で、講演会を実施いたします。

みなさま奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

日  時: 第1回 2009年7月17日(金) 18:00-20:00
第2回 2009年7月24日(金) 18:00-20:00
会  場:

東京大学生産技術研究所・A棟 As310教室 (アクセス)

演  題:

大韓民国「vs」朝鮮民主主義人民共和国:
−都市に刻印された20世紀の夢と理想、
それがいま21世紀地球環境問題の前で問われる−

講演者:

安昌模
(建築史/韓国・京畿大学建築専門大学院教授
東京大学生産技術研究所外国客員研究員)

主  催: 総合地球環境学研究所
「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」プロジェクト
(メガ都市プロジェクト 代表:村松伸)
【要  旨】

朝鮮半島にある二つの国はもともと一つの国であったが、植民地時代が終わり、南北の解放国がそれぞれ持っていた異なるイデオロギーを選んだのが分断の始まりだった。二つの対立した社会体制は、自分たちが信じて疑わないイデオロギーを背景にして、自分たちの国をそれぞれ作ったのである。そのイメージは、20世紀半ばにおいては、双方ともに夢と理想の輝くものであったが、20世紀後半に両国の差異は決定的なものとなった。片方は経済的に破綻しつつ露骨な軍事国家の道を歩み、国際社会では孤立の道を歩んだ。そして片方は資本主義的欲望の果てに、アメリカや日本と同様の、夢や理想を失った国家に近づくと共に、地球環境への大きな負荷をかける産業構造や都市構造を形成し、21世紀に至ったのである。

しかしながら分断からの60年間、両国は常に「私たちは一つであるべき」という意識を共有していた。にもかかわらず一つになる方法は共有できなかったため、自分たちの思想や体制が相手より優れていることを証明しようとしてきたわけであり、それによって相手を超え、自分たちの思想の下で統一できる方法だと信じてきたのである。

では、こうした国家レベルでの思想的背景のもとで、都市はどのような役割を担い、空間を変質させてきたのであろうか?両国の首都であるソウルと平壌(ピョンヤン)が見せる経済的・社会的格差、あるいは環境問題と密接に絡む都市構造の異相は、イデオロギー的差異の都市への表れと無縁ではない。つまり、二つの首都を読み解くことは、20世紀後半の東アジアにおける二つの新興国家の雄が、何を求め、何に敗れ、そして今にどんな課題をどのように残しているのか、とい うことを問うことに他ならない。

以上のように、本発表の目的は、具体的には開港期以降のソウルと平壌の都市史をたどりながら、イデオロギーと政治経済社会、そして都市構造に端を発する地球環境問題の諸相へと、歴史的かつ連携的にアプローチする切り口を模索することにある。

【前日までのお問合せ】
林 憲吾 | HAYASHI Kengo

「メガ都市プロジェクト」プロジェクト研究員
総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2340 (直通)
FAX:075-707-2508
プロジェクトのホームページ
【当日連絡先】
TEL:03−5452−6442/6443(村松研究室)