第27回 レジリアンス研究会
日 時: |
2009年7月8日(水) 15:00-16:00 |
会 場: |
総合地球環境学研究所 セミナー室 3・4 (アクセス) |
タイトル: |
「気候変動が穀物の収量と収量変動及び食料生産最大化のための最適土地作付体系へ及ぼす影響の計量化
-タミルナドゥ州の異なる農業気候ゾーンにおける計量経済分析」 |
講演者: |
C.R. Ranganathan, Tamil Nadu Agricultural University, Coimbatore, Tamil Nadu, India |
言 語: |
英 語 |
-
要 旨:
-
本研究では、気候変動下での最適土地利用計画のフレームワークを提供する。気候変動が農業生産へ与える影響は多方面にわたる。すべての農業生産活動は非常に気候変動に対して敏感であり、作物収量の変動を伴う。よって、気候変動の影響を平均収量のみではなく、変動について研究することが必要である。定量的な情報は自然資源の賢明な利用と作付体系の最適化のために利用されるべきである。回帰分析を使った過去の研究では、平均生産性にのみ注目し、気候変動にともなう作物生産性の競合による最適作付体系にはあまり関心がなかった。都市化によって農業用地が減少している状況では、この問題はさらに重要度を増している。本研究では、この問題をタミルナドゥ州で生産されている主要作物について検討する。計量経済分析により、平均収量と変動収量、そして異なる作物収量の共分散を推計する。気候変動の影響を反映している推計された平均収量は、多目的線形計画モデルによって最大食料穀物収量、最大米収量、現在の作物生産を維持するための最小農業用地などの目的を達成するために利用される。最後に、本研究では、2020年のタミルナドゥ州の人口予測と最適食料穀物生産をリンクさせて、一人当たりの可能食料穀物量を決定する。研究の結果、降雨量と温度は生産性と穀物の変動にさまざまな影響を与え、またHADCM3A2aシナリオによる気候変動は、タミルナドゥ州の5区域での作物生産性への影響は小さかった。伝統的な稲作地区では変動の増加と共に生産性も増加した。一方、多くの他の穀物の生産性は減少し、同一的な変化はなかった。土地のみが制約である場合、気候変動による生産性の変化により、作物の最適配分により食料穀物の生産は増加する。これらの結果は政策決定者にとって人口予測下での穀物の供給と需要のギャップを知るために有効である。
-
キーワード:
-
影響、気候変動、生産性、Just-Pope生産関数、平均収量、収量変動、最適化
お問い合わせ:
岡本雅博 OKAMOTO, Masahiro
|
人間文化研究機構 総合地球環境学研究所(RIHN)
|
プロジェクト研究員(レジリアンスプロジェクト) |
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4 |
TEL:075-707-2270 |
プロジェクトのホームページはこちらです。 |
|