イリプロジェクト講演会
オヨーンビリグ教授 講演会

民族/国家の交錯と生業変化を軸とした環境史の解明−中央ユーラシア半乾燥域の変遷」プロジェクト(イリプロジェクト)では招へい外国人研究員・中国人民大学オヨーンビリグ教授による講演会を下記の日程で開催します。直前の告知ではございますが、万事繰り合わせの上、是非お越しくださいますようお願いいたします。大勢の方のご来場をお待ちしています。

遊牧集団は社会的影響・環境的影響を被りながら、各地の草原に活動の場を見いだしてきました。今回の講演では、17世紀に焦点を充ててお話しいただきますが、みなさまには現代との比較も兼ねてお聴きいただければと思います。

日  時: 2009年6月25日(木) 14:00−15:30
場  所: 総合地球環境学研究所 セミナー室 3・4 ( アクセス)
演  題: 中央ユーラシア草原地域オイラト遊牧民の移動
講演者: オヨーンビリグ(中国人民大学教授)
言  語: 日本語
【要   旨】
オイラト(Oyirad)人は、モンゴル系遊牧民であり、チンギス・ハーン時代にモンゴル帝国の一員であった。元朝崩壊後、オイラト人は東モンゴルと対立し、独立した政治集団となり、17世紀の後半に強大な遊牧帝国を創り、18世紀の中期ごろ、清朝に征服された。今、オイラト人は、中国の新疆、青海、内モンゴルのアラシャン盟及びモンゴル国の西部とロシアのカルマク共和国などの草原地域に広がっている。
12世紀末13世紀初め、オイラト人がモンゴル高原の北方に、セリンゲ河北方から、エニセイ川上流あたりまで移動していた。17世紀に、オイラト人は、南は天山山脈から北のイルテイシュ河中流、東はアルタイ山から西のバルハシ湖までの地域に広がるようになり、その中の二つの集団が、更にウォルガ河下流とチベット・青海高原をそれぞれ征服した。17世紀はオイラト史上の重要な時代であり、中央アジアの歴史においても大きな影響をもたらした時代である。
17世紀のオイラト人の移動はどのように行われたのか?各遊牧集団がどのように分布していたか?オイラト人の移動と分布が、中央アジアの国家と地域にどのような影響をあたえたのか?この発表では、オイラト人の遊牧地の変遷を考証すると同時に、以上の諸問題に触れたい。
【お問い合わせ先】
加藤雄三

承   志

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