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行事案内

第12回レジリアンス研究会

 資源管理制度の世界的な研究者であるインディアナ大学のElinor Ostrom教授を地球研にお迎えして、第12回レジリアンス研究会 Prof. Elinor Ostromを以下のとおり開催いたします。
 Ostrom教授は、政治学の専門家であり、”Governing the Commons: The Evolutions of Institutions for Collective Action (1991)”, “Crafting Institutions for Self-Governing Irrigation Systems (1992),” “Rules, Games, and Common-Pool Resources (1994)”等、世界各地の資源管理制度に関する多くの著書、論文を著しています。またインディアナ大学では「政治理論と政策分析ワークショップ」を主宰しています。
 今回は7月3−7日に京都国際会館で開催される第3回環境経済学世界大会のプレナリー・スピーカーとして来日されるのを機会に地球研でのセミナーをお願いいたしました。世界大会主催者のご支援に感謝申し上げます。ご興味のある方はぜひこの機会にレジリアンス研究会にご参加ください。
【日時】2006年7月3日(月)10:00−11:30
【場所】総合地球環境学研究所・講演室
地図
【共催】コモンズ研究会、琵琶湖−淀川プロジェクト

【演題】「制度分析の研究方法を求めて:資源管理制度の多様性からの視点」
【演者】インディアナ大学・政治理論と政策分析ワークショップ代表 エリノア・オストロム

【要旨】
 政策分析について書かれた多くの教科書では、政治・経済発展や持続的資源を達成するために制度の重要性が強調されている。しかし、研究者によって制度の意味も異なり、その分析方法もかなり様々である。昨年プリンストン大学から出版された拙稿Understanding Institutional Diversityで提示した制度分析と開発 Institutional Analysis and Development (IAD)の枠組みを概説し、共有資源(灌漑、森林、牧草地、漁業資源)に関連したフィールド調査から発見したルールの多様性を示しながら、その枠組みを掘り下げる。多様なルールが存在することから、複雑な社会・生態学の課題に対して単純に解決策のみを提示する問題点を指摘し、政治的提案に際しては非常に謙虚であることを提案する。我々が直面する多様な問題に対処するには、解決に向けたよりよい制度の青写真を知っているかのようにふるまうよりも、人々が長年の経験に照らし合わせてよりよいルールをつむぎだせるような条件を整備することのほうが、より有効な方策となる。地域の状況と変化に適応できる制度を構築することによってレジリアンスを高めることが可能である。

【問い合わせ先】
梅津 千恵子
mail: こちら
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