【日時:】 2005年9月14日(水)午後3時〜午後5時
【講師:】 江守 正多(国立環境研究所 大気圏環境研究領域)
【演題:】 「国立環境研における気候モデル研究」
【会場:】 地球研1階会議室
昨今における地球温暖化問題の最大の論点は、京都議定書の対象となる第一 約束期間(2008-2012年)以降の国際的枠組みをどのように決めるかである。こ れに合わせて、気候安定化の中長期目標、すなわち、50年後、100年後に気候 をどんな状態に安定化することを目標とするかについて、活発な議論が始まっ ている。こういった状況を睨みながら、国立環境研では、東大気候システム研 究センター、海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センターとの協力の 下、3つのテーマを柱に気候モデル研究を展開している。第一のテーマは、過 去の気候変動の再現と理解である。これは、「温暖化は本当に起こっているか」 といった問題に客観的に答え、温暖化の科学を堅固なものにする意味で重要で ある。第二のテーマは、予測の不確実性の評価と低減である。よく知られてい るように、気候モデルによる気温上昇量予測(気候感度)には大きなばらつき があり、気候安定化の議論を進める上で大きな障害になっている。これを何と かすることは重要な課題である。第三のテーマは、地域気候や極端現象を含む 詳細な気候変化予測と影響評価である。これは、一般の国民や政策決定者が温 暖化の影響をより具体的にイメージする上で極めて重要である。
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