第7回地球研地域連携セミナー
連携セミナー「にほんの里から世界の里へ」 開催報告
平成22年2月6日(土)に石川県立音楽堂邦楽ホールにおいて、連携セミナー「にほんの里から世界の里へ」を金沢大学、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット、財団法人森林文化協会とともに主催し、約400名の方々にご参加いただきました。今回は「にほんの里から世界の里へ」をテーマに、討論が行われました。
「生物多様性と人の営み−「にほんの里100選」新たな挑戦−」をテーマとした第1部では、粕谷卓志財団法人森林文化協会理事長・朝日新聞東京本社代表の開会挨拶の後、アフメド・ジョグラフ生物多様性条約事務局長のビデオメッセージが上映され、藤原勇彦財団法人森林文化協会常務理事が趣旨説明を行いました。引き続いて、「にほんの里100選」(2009年朝日新聞社による選定)の中から8つの里の代表者がそれぞれの里についての取組みを報告されました。パネルディスカッションでは、伊藤智章朝日新聞論説委員の司会により、あん・まくどなるど国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット所長、鷲谷いづみ東京大学大学院教授、森本幸裕京都大学大学院教授をパネリストに迎え、自然に人が働きかけることで、変化しながらも一定の持続的な表情を保っている里山・里海の意味について話し合いました。
「豊かさを問う−里山SATOYAMAの未来可能性−」をテーマとした第2部では、立本成文総合地球環境学研究所長の開会挨拶の後、秋道智彌同研究所副所長・教授が趣旨説明を行いました。
引き続いて、奥本大三郎フランス文学者、日本昆虫協会会長、NPO日本アンリ・ファーブル会理事長による「都会に里山を」と題した特別講演が行われました。
その後、あん・まくどなるど所長による「里山・里海万華鏡」、石川県能登半島で実施している環境配慮の農林業人材育成事業「能登里山マイスター」養成プログラムについて、北野慎一金沢大学地域連携推進センター特任助教による「里山里海フィールドを活かした地域再生人材の育成」、阿部健一総合地球環境学研究所教授による「里山SATOYAMAという関係価値」と題した講演が行われました。
これを受けてパネルディスカッションでは、中村浩二金沢大学学長補佐・教授及び遠藤崇浩総合地球環境学研究所助教による司会のもとで、奥本氏、あん・まくどなるど所長、秋道副所長、阿部教授の4名のパネリストが里山の未来可能性について熱心に討論し、「人と自然が調和する里山の概念を世界に広めるためにはアジアからの情報発信が必要」などと論じ合いました。
最後に中村学長補佐が閉会挨拶で、里山に関する研究のさらなる発展と連携を祈念してセミナーを締めくくりました。
また、金沢大学附属小学校児童による「子どもたちがつくる国連環境ポスター展」をも同時開催し、多くの参加者の方々に世界の子どもたちが描いた環境ポスターをご覧いただきました。
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