徒然なるままに



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サンタクロースの部屋

中尾正義

 

2018年12月23日に大垣にいる孫がその母親と一緒に遊びに来ました。わたしたちは素敵な楽しい時間を過ごしましたが、翌24日には彼らはもう自分たちの家に帰っていってしまいました。というのは、その日の夜にサンタクロースが贈り物を持ってきてくれるからです。孫はサンタさんが本当にいると信じていたのです。

わたしは30年以上昔のことを思い出しました。子供達のためにわたしはサンタさんの役を演じました。子供達がサンタさんを信じるようになるように、12月24日の夜にサンタさんへのビールとコップを用意しようと提案したのです。翌25日の朝子供達が見つけたのは、サンタさんからの贈り物と空になったビール瓶、ビールを飲んだ跡のあるコップ、そしてサンタさんからのお礼の手紙でした。手紙には英語で「ありがとう。おいしかったよ」と書いてありました。手紙を見た子供達はサンタさんって本当にいるんだと確信したのです。

多くの人はサンタクロースが実際には居ないことを知っています。従って子供に嘘をついてはいけないともいいます。しかしこのことによって、小さい子供は見たことのないものの存在を信じることができるようになるのです。言い換えれば、子供達は心の中にサンタクロースの部屋を作ることができるのです(松岡、1978)。子供達は大きくなればサンタクロースが実際には居ないということを必ず知ります。しかし目に見えないものを信じるという素晴らしい能力を獲得することができるのです。目には見えない夢や希望などを心の中のサンタクロースの部屋に住まわせることができるのです。

心の中にサンタクロースの部屋を持っているということはとても大切なことだとわたしは思います。

参考文献

松岡享子(1978)『サンタクロースの部屋』こぐま社、pp.248.

(2019年1月)

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