プログラム名実践プログラム3:豊かさの向上を実現する生活圏の構築
プログラムディレクター西條 辰義

 

○研究目的と内容

研究目標
暮らし(人間生存)の場、さらには、社会・文化・資源・生態環境との相互連環の場としての生活圏の概念を再構築し、都市域や農山漁村域など多様な 生活圏相互の連環を解明しつつ、それらの生活圏に住まう人びと、行政、企業、民間団体などさまざまなステークホルダーとともに、直面する諸問題の解決や生 活圏の持続可能な未来像を描き、その実現の可能性を探る。

ミッション
日本を含むアジアとその周辺地域は、世界人口の6割以上を擁し、世界の経済活動の3割以上を担っている。この地域は、文化・歴史・社会・生業・生 態環境などあらゆる面で多様性に富んでいる一方、人間活動の急速な拡大により、大気、水、土壌、海洋の汚染、温室効果ガス排出の増大、生物多様性の消失な どを経験している。同時に、貧富の差の拡大、社会的疎外、失業、局所的な貧困、地域固有の伝統文化の消失などを生み出している。
これらのプロセス で、都市域への人口集中や農山漁村域での過疎化に伴い、社会、文化、資源、生態環境の急激な変容が起こり、両者の生活圏の劣化が加速化している。よって、 第一に、これらの地域の生活圏概念を再構築すると共に生活圏相互の連環を視野に入れ、豊かで持続可能な生活圏をデザインしつつ、それを実現するための具体 的な枠組みを作る。
これらの地域には、多様な自然と人間が共存する世界観を築いてきた経験がある。多様な文化や社会、生業体系、在来知、紛争体 験、人びとの活力などに、諸問題の解決やありうべき未来社会の形成に向けた潜在性を見出す可能性がある。つまり、第二に、これらの経験や知恵を生かし、多 様な自然と人間が共存しうる具体的な未来可能性のある社会への変革を提案する。
これらの枠組みや変革は、持続可能な都市や農山漁村の生活圏をデザ インする際、既存の市場を基礎とする経済システムや政治的意思決定システムを与件とするものではなく、それらを根本的に変えてしまうもの、ないしは補完す るものであろう。ただし、トップダウンのみでシステムの変革を考察するのではなく、第三に、地域に住まう人々や行政担当者、企業、民間団体の人々などさま ざまなステークホルダーと共に持続可能なシステムを提案し、その実現可能性を探る。
そのような提案は、地域に応じたものとなる可能性が大であるが、ある特定の地域のみに適用可能な提案というよりも、第四に、多様性を保ちつつ、何らかの一般的な枠組みの発見を目指す。

○本年度の課題と成果

○共同研究者名(所属・役職・研究分担事項)

○今後の課題

論文

【原著】

Zhang Jingchao, Koji Kotani, Tatsuyoshi Saijo 2018,06 "Public acceptance of environmentally friendly heating in Beijing: A case of a low temperature air source heat pump". Energy Policy 117:75-85. DOI:10.1016/j.enpol.2018.02.041 (査読付).

Junyi Shen, Takako Nakashima, Izumi Karasawa, Tatsuro Furui, Kenichiro Morishige, Tatsuyoshi Saijo 2018,04 Examining Japanese women's preferences for a new style of postnatal care facility and its attributes. International Journal of Health Planning and Management:1-12. DOI:10.1002/hpm.2544 (査読付).

西條辰義 2018年03月 「フューチャー・デザイン:持続可能な未来社会の設計」. 『環境会議』 49:168-173.

Tatsuyoshi Saijo and Junyi Shen 2018,02 “Mate choice mechanism for solving a quasi-dilemma”. Journal of Behavioral and Experimental Economics 72:1-8. DOI:10.1016/j.socec.2017.10.004 (査読付).

西條 辰義 2018年02月 「フューチャー・デザイン」. 『学術の動向』 23(2):64-67.

Jun Feng, Tatsuyoshi Saijo, Junyi Shen and Xiangdong Qin 2018,02 "Instability in the Voluntary Contribution Mechanism with a Quasi-linear Payoff Function: An Experimental Analysis,". Journal of Behavioral and Experimental Economics 72:67-77. DOI:10.1016/j.socec.2017.12.002 (査読付).

Tatsuyoshi Saijo, Takehiko Masuda, and Takafumi Yamakawa 2018,01 "Approval Mechanism to Solve Prisoner's Dilemma: Comparison with Varian's Compensation Mechanism". Social Choice and Welfare 51:65-77. DOI:10.1007/s00355-017-1107-z (査読付).

Saijo T., Feng J. and Kobayashi Y. 2017,11 "Common-Pool Resources are Intrinsically Unstable". International Journal of the Commons 11(2):597-620. (査読付).

Shahrier, S., Kotani, K. & Saijo, T. 2017,11 "Intergenerational Sustainability Dilemma and the Degree of Capitalism in the Society: A Field Experiment". Sustainability Science 12(6):957-967. DOI:10.1007/s11625-017-0447-z (査読付).

Yoshio Kamijo, Asuka Komiya, Nobuhiro Mifune and Tatsuyoshi Saijo 2017,05 "Negotiating with the future: Incorporating imaginary future generations into negotiations". Sustainability Science 12:409-420. DOI:10.1007/s11625-016-0419-8 (査読付).

原圭史郎・西條辰義 2017年04月 「フューチャーデザイン-参加型討議の実践から見える可能性と今後の展望」. 『水環境学会誌』 40(A)((4)):112-116.

その他の出版物

【その他の著作(新聞)】

耕論 改憲議論 次世代の目で 持続可能な社会の理念 基に . , 2018年05月02日 朝刊, 13面.

会合等での研究発表

【口頭発表】

Tatsuyoshi Saijo Future Design: An Overview. World Social Science Forum 2018, 2018.09.25-2018.09.28, 福岡国際会議場、福岡市. (本人発表).

Tatsuyoshi Saijo Future Design: Bequeathing Sustainable Natural Environments and Sustainable Societies to Future Generations. , 2018.09.07, Duke Nicholas Institute for Environmental Policy Solutions, Durham, America. (本人発表).  https://nicholasinstitute.duke.edu/events/future-design-bequeathing-sustainable-natural-environments-and-sustainable-societies-future

Tatsuyoshi Saijo 「Future Design」. New Directions in Economic Theory and Empirical Economics, 2018.08.17-2018.08.18, Kolkata, India. (本人発表).

西條辰義 長期戦略策定の必要性と特徴. JICA講義, 2018年08月02日, JICA東京、東京都渋谷区. (本人発表).

西條辰義 フューチャー・デザインのコンセプトについて. , 2018年03月03日, 学習院大学. (本人発表).

西條辰義 『フューチャー・デザイン』. 「第1回フューチャー・デザイン・ワークショップ」, 2018年01月27日-2018年01月28日, 総合地球環境学研究所、京都市. (本人発表).

Tatsuyoshi Saijo Future Design. IIASA, 2018.02.26-2018.02.27, Austria. (本人発表).

Tatsuyoshi Saijo “Future Design”. RIHN/UCB 2017, 2017.11.07, University of California Berkeley, Berkeley, California.

Tatsuyoshi Saijo “Future Design”. Democratic Responsibilities and Future People, Twenty-First Annual Meeting of The International Association for Environmental Philosophy, 2017.10.22, Sheraton Memphis Downtown Hotel, Memphis, Tennessee.

西條辰義 『フューチャーデザイン』. シンポジウム「フューチャーデザインと新国富論:将来の持続可能な社会をいかにデザインしていくか?」環境経済・政策学会2017年大会, 2017年09月09日, 高知工科大学A105 教室、高知市.

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. 地球研市民セミナー, 2017年07月04日, ハートビア京都、京都. (本人発表).

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. 学術会議, 2017年06月26日, 東京.

【招待講演・特別講演、パネリスト】

西條辰義 「フューチャー・デザイン:かんがえようこれからの地域の未来」. 地域コミュニティの未来を考えるシンポジウム , 2018年10月08日, 宇治市生涯学習センター、京都市.

西條辰義 「フューチャーデザイン」について. 京都府営水道連絡協議会研修事業に係る講演, 2018年08月08日, 京都平安ホテル、京都市.

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. 財務総研先端セミナー, 2018年07月18日, 財務省財務総合政策研究所、 東京都千代田区.

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. キヤノングローバル戦略研究所講演会, 2018年07月17日, キヤノングローバル戦略研究所、東京都千代田区.

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. フューチャー・デザインシンポジウム, 2018年07月11日, 大阪大学、大阪府吹田市.

西條辰義 「フューチャーデザイン」について. 京都府営水道連絡協議会研修事業に係る講演, 2018年05月09日, 京都ガーデンパレス、京都市.

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. 「市民も参加する国際環境研究-Future Earth(フューチャー・アース)とは」, 2018年03月04日, 石川県金沢市 石川県政記念 しいのき迎賓館.

西條辰義 「フューチャー・デザイン」. コモンズ研究会, 2018年02月17日, 京都大学, 京都市.

西條辰義、中川善典 「未来の人達も幸せになる社会を考えよう -どうする!?京都の環境問題」. 京都環境フェスティバル2017, 2017年12月09日, 京都府総合見本市館(パルスプラザ)、京都市.

西條辰義 フューチャー・デザイン:持続可能な社会への変革 . 同志社大学 ITEC Seminar, 2017年12月08日, 同志社大学、京都市.

Tatsuyoshi Saijo “Future Design”. School of Human Evolution and Social Change, 2017.10.26, Arizona State University, Tempe, Arizona.

西條辰義 『フューチャー・デザイン』. 未来社会プラットフォームPhase1第3回ワークショップ(公社), 2017年10月11日, 新化学技術推進協会、東京.

Tatsuyoshi Saijo “Future Design”. HSI2017—3rd Hitotsubashi Summer Institute, 2017.08.05, Hitotsubashi University, Tokyo.

西條辰義 「農」の再発見. , 2017年08月04日, 北海道大学国際食資源学院、札幌市. コメンテーター

西條辰義 「周産期医療体制の制度デザイン:大阪府泉南地域と下呂市の調査」. 周産期医療に関する飛騨地域の現状と最近の話題について, 2017年07月15日, 高山市役所 地下大ホール、高山市.

西條辰義 「フューチャー・デザイン―バングラデシュ,ネパール,日本における実験の成果から」. 学術フォーラムアジアの経済発展と立地・環境都市・農村関係の再構築を考える, 2017年07月08日, 日本学術会議講堂、東京.

Tatsuyoshi Saijo “Future Design”. Research on Future Design, 2017.07.07, Graduate Program in Sustainability Science, University of Tokyo, Kashiwa Campus, Kashiwa.

学会活動(運営など)

【企画・運営・オーガナイズ】

第1回フューチャー・デザイン・ワークショップ, オーガナイザー. 2018年01月27日-2018年01月28日, 総合地球環境学研究所、京都市.

新たな管理型最終処分場候補地選定委員会(高知県), 委員. 2017年05月15日-2018年03月31日, 高知県.

報道等による成果の紹介

【報道機関による取材】

波聞風問 「政策決定 将来世代の視点採り入れて」. 朝日新聞, 2018年10月02日 朝刊, 13面.

自治体2040構想が波紋. 2018年08月07日, 日経グローカル 346(781) :48-49.

注目集める「フューチャー・デザイン」. 公明新聞, 2018年06月04日, 5面.

RADIO JAPAN Future Design by "Imaginary Future Generations". NHK World, 2018年05月11日-2018年05月19日. 17言語で放送

耕論 改憲議論 次世代の目で 持続可能な社会の理念 基に. 朝日新聞, 2018年05月02日 朝刊, 13面.

経済教室:エコノミクストレンド 「未来の利益はいまどう代弁?」. 日本経済新聞, 2018年02月13日 朝刊, 23面. 慶応義塾大学の小林慶一郎教授による西條教授のフューチャー・デザインに関する報告

「レーザー:将来世代の視点」. 日刊工業新聞, 2018年02月13日(17面(科学技術・大学面). ).

「未来視点で地方創生」. 日刊工業新聞, 2018年01月25日, 25面.