| 国境を越えて隣国に他国に影響を与えるのは経済活動ばかりではない。環境問題もまたスケール大きく、かつ深刻な状態をもたらす。かつて小誌に「カムチャッカに見る北海道の原風景」(216号) 「北東ユーラシアと氷河」(217号) 「氷河と海面変動」(218号) で登場した筆者による最新の研究動向の報告。 |
大陸からの歓迎すべからぬ贈り物
2002年の5月、米国アラスカ州とカナダの国境に位置するカナダの最高峰ローガン山(5959m)に氷河の調査のため出かける機会がありました。ローガン山は、中緯度ではめずらしく、人間の生活圏から離れているため、南極とほぼ同じ清浄さを保つ地域です。オホーツク海の生態系変化とアムール川
そんな中、追い打ちをかけるようで申し訳ないのですが、我々が気になっていることがもうひとつあります。それはオホーツク海の生態系の問題です。サハリン沖の海底油田開発の問題はしばしば取り上げられていますが、それとは別のメカニズムで、オホーツク海の生態系変化が起こる可能性があるのです。北太平洋の生物生産と北海道の関係を研究
アムール川流域の陸面状態は、世界の大河川の中では比較的自然状態に近いのですが、それでも人間活動とは無縁ではありません。下流域にはソ連時代に軍産複合体の拠点として発展したコムソモルスク・ナ・アムーレの街や、ハバロフスクなどの都市が発達します。