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日本の雪氷現象

初秋の大雪山、旭岳。北海道の最高峰。天人峡から化雲岳へのルートから撮影。(写真と文:白岩孝行)
大雪山、ヒサゴ沼から見たヒサゴ雪渓。1980年後半以降、ほぼ毎年質量収支の観測が行われている多年性雪渓。雪渓の内部には氷体が存在し、雪渓から氷河への遷移過程にある現象として興味深い。1963年に一度消失したという記録があるが、それ以外、ほぼ毎年存在している。(写真と文:白岩孝行)
ヒサゴ沼からトムラウシ山への登山道横にある淘汰レキ質構造土。亀甲土とも呼ばれる。地表面の凍結融解とそれに伴う熱収縮によって形成されると考えられているが、詳細なメカニズムはまだわかっていない。この地点の場合、冬は積雪に覆われ、春にその融け水によって池となる。夏になると池は排出される。(写真と文:白岩孝行)
日本に氷河はないが、かつて存在した氷河が形成した地形は数多く残っている。典型的な氷河地形は、飛騨山脈(北アルプス)や日高山脈に多い。ただし、大部分の氷河地形は発達の度合いが悪く、かつ氷河消滅後以降に作用したであろう侵食の結果、不明瞭な氷河地形となっている場合が多い。日本の氷河地形研究の特異性は、この悪条件を克服していかに氷河地形と認定するかに多大なエネルギーを要してきた点にある。写真は剣岳西面の立山川源流カガミ谷のステレオ写真(林野庁撮影)。私の卒業論文のフィールド。(写真と文:白岩孝行)
札幌−名古屋間の定期航空便から撮影した厳冬の北アルプス。この航路は、名古屋行は黒部源流、札幌域は上高地上空を通過することが多く、景観を楽しめる。写真は笠ケ岳(?)。(写真と文:白岩孝行)
北アルプスの日本海側は名だたる豪雪地帯である。写真の剣・立山連峰では10mを超える積雪が谷という谷を埋め尽くす。これらの積雪は夏になっても融けきらず、越年雪渓となることが多い。氷期にも同様であったのか、この地域には見事な氷河地形が発達する。(写真と文:白岩孝行)
山岳景観美としては剣・立山連峰と双璧をなす槍・穂高連峰にもきれいな氷河地形が発達する。写真左下には日本で最大のカール、涸沢カールがあり、右手の槍ヶ岳から手前に流下する槍沢は、横尾氷期と呼ばれる氷河前進期が提唱された模式的な氷河地形である。(写真と文:白岩孝行)
立山の内蔵助カールには日本最古の化石氷体が存在する。約1700年前のハイ松を含むこの氷体は、その頃にこのカールを埋めていた氷河の残存物と考えられている。(写真と文:白岩孝行)
薬師岳のカール群は、立山の山崎カールとともに国の天然記念物に指定されている。写真の金作谷カールには、きれいなモレーンが雪面から顔を出している。(写真と文:白岩孝行)
カールの出口は通常急峻な崖となっていることが多い。これをグラダンと呼ぶ。氷河の流動によって形成されるであろうことは間違いないが、グラダンや氷食谷の階段状の地形の成因はまだ未解明である。(写真と文:白岩孝行)
カール底には大量の土砂が堆積している。氷河が運んだモレーン、岩壁から崩落した崖錘、そして雪面上を転落して形成されたと信じられているプローテーラス・ランパートである。これらの堆積物は、しばしば内部にもつ永久凍土のクリープによって流動する。これを岩石氷河と呼ぶ。氷河に比べてゆっくりとした流動であるが、氷の塑性変形で流動することには変わりはないので、岩石氷河の表面形態は氷河の表面形態に類似する。(写真と文:白岩孝行)
岩石氷河かモレーンなのか、判別は難しい。松岡憲知博士によると、モレーンでは氷河から流出する河川によって一部が切られているのに対し、岩石氷河ではそのような切れ目は存在しないとのことである。とすると、薬師岳のカール底にあるこれらの堆積物は岩石氷河なのか?(写真と文:白岩孝行)
古くから岩石氷河であることが指摘されている槍・穂高連峰南岳の堆積物。一見、写真左下へ流動している厚い堆積物のようにも見えるが、階段状の基盤を左の山から発達する薄い崖錘が覆っただけのようにも見える。(写真と文:白岩孝行)