▲ セイハン川にかかる水門

わー!!すごい水量だ!!

ここはセイハン川にかかる水門。中央の看板にある“DSi”という文字は、トルコの水資源管理を司る国家水利総局のトルコ語略称だよ。

どうしてここにダムが作られたの?

アダナでは、1950年代のセイハンダム建設を皮切りに、「セイハン川下流域灌漑プロジェクト」というものが始まったんだ。17万5千haの灌漑可能面積を誇る灌漑水路網がこのプロジェクトにより整備され、農業による経済発展を目指してきたんだよ。

農業は大切だもんね。

そうなんだ。でも最近では灌漑農業の拡大にともなって、塩害や水路の末端まで水が行き届かないという問題が生じてきているんだ。

大変そうだな。

見て見て、あそこにシャワーが出てるよ!


▲ スプリンクラーによる農地への散水の様子

あれは農地に水を撒くスプリンクラーだよ。
近代化によって多くの農家がスプリンクラーによる灌漑をおこなうのが主流となっているんだけど、面積あたりいくら水を使っても費用は同じなので、必要以上に水を使いすぎてしまうことが問題になっているんだ。

解決には、農家個人の水に対する考え方も変えないといけないね。

そうだね。
農家の人々の水に対する価値観と、実際どのように水を利用しているかの関連を調べるためにアンケート調査をして、支払意思額(Willingness to pay)を聞くことで明らかにしようとしているんだ。

支払意思額ってなあに?

水にどれくらいの金額を払ってもいいかという意思のこと。自分は高所得者だから水にお金をかけてもいいという人もいるし、水は大切だと分かっていてもそんなにお金はかけられないという考えの人もいるように、水への価値観・認識を知るための指標になるものなんだ。

なるほど。