大槌町(岩手県上閉伊郡)の湧水に関する調査を行いました(2011年6月14日)

地球研では、かねてより大槌町(岩手県上閉伊郡)の湧水に関する研究を行い、これを通じた町の地域活性化,地域振興に関する連携を模索していましたが、今回、東日本大震災が大槌町の湧水環境に及ぼした影響の調査を行いました。

調査は、まず陸上について行いました。陸上の自噴湧水については塩水化の影響は見られず、震災時には水道水の代替水源としても利用されていました。

さらに今回は、沿岸の生態系へ影響を及ぼす栄養塩を供給すると考えられてる海底からの湧水についても、新たに調査を行いました。調査は水の電気伝導度・温度などを測定する装置を漁船から吊す形で海面下に沈めて、ゆっくりと大槌湾、船越湾内を回る方法で行いました。その結果、豊富な湧水が発生していると考えられる場所が、湾内の数カ所で確認されました。

海底湧水が豊富な場所には栄養塩の供給等により魚が集まると言われており、また、牡蠣,ホタテ貝の養殖にも適しているとも言われています。この調査結果が、水産業の復興を通して、震災復興の一助になることを期待します。

現地調査実施期間
   平成23年6月9日〜13日
現地調査メンバー
   谷口真人 教授
   中野孝教 教授
   窪田順平 准教授
   鞍田 崇 特任准教授

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漁船の舷側に測定装置を取り付けて調査を行った