地球研案内

所長挨拶

安成哲三

総合地球環境学研究所長
安成哲三

総合地球環境学研究所(地球研/Research Institute for Humanity and Nature)は、地球環境学の総合的研究を行なう大学共同利用機関のひとつとして、2001年4月に創設されました。そのミッションは、地球環境問題の根源としての人間と自然系の相互作用のあり方を解明することにあります。環境の破壊(悪化)は、この人間と自然系の相互作用環の不具合として現れますが、どのような相互作用環であるべきか、地域的な特性や歴史的な経緯も考慮しながら、地球的な視点で根本からとらえ直そうとしているのが地球研です。既存の学問分野の枠組みを超えた「人間と自然系の相互作用環」の解明をとおして得られた「環境知」に基づき、地球と地域の未来可能性を追求する総合地球環境学の構築をめざしています。

2004年度に法人化され、大学共同利用機関法人の人間文化研究機構に属することになりました。2010年度からの第Ⅱ期中期目標・中期計画に対応して、未来設計イニシアティブを提案し、その推進のために、研究推進戦略センターに基幹研究ハブ部門を設け、研究をより活性化し、統合するしくみを取り入れました。2010年10月には、設立以来10年の研究成果をまとめた『地球環境学事典』を刊行しました。大学共同利用機関としての役割・機能の強化のため、2012年度からは地球環境問題の解決に資するためのネットワーク型の「地球環境学リポジトリ事業」を開始し、全国の大学・研究機関と双方向に利用できる基盤を本格的に整備しつつあります。さらに2014年度からは、大学などの他機関との協定に基づき共同研究を進める機関連携プロジェクト制度を導入します。

現在、わが国を含む世界各国が参加し、統合的な地球環境研究をとおした持続可能な地球社会をめざす国際的な計画であるFuture Earthが進められています。これに対応し、2013年10月には研究推進戦略センターにFuture Earth 推進室を新たに設置しました。総合地球環境学を国際的にも展開しリードする機関として大きな飛躍を遂げるべく努力をしています。

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