地球研FS「能登半島における持続可能な社会構築のための環境半島学の提言」
シンポジウム

日  時: 2012年1月31日(火) 9:00 - 18:00
場  所: 総合地球環境学研究所 講演室  ( →アクセス )
テーマ: 過疎高齢化による耕作・森林放棄と生態系劣化との関係
−半島域を活用した現状把握と今後の展開−
【主 旨】
ミレニアム生態系評価(MA)が指摘するように、近年地球上では乱開発、エネルギー浪費、都市問題等がますます深刻化しており自然環境と調和し、持続的な資源利用が求められている。一方、MAの手法を導入して実施された「日本における里山・里海評価」の結果は過疎高齢化により、農地、森林のunderuseとそれに伴う生物多様性の損失生態系サービスの劣化が深刻な問題となっている。過疎高齢化は、日本などの先進国だけではなく、20〜30年後には、多くの発展途上国にも拡大し、「地球環境問題」を引き起こすと予想される。本シンポジウムでは、深刻な過疎・高齢化にさらされ、人間活動の縮小による生物多様性の損失等の自然環境への影響が顕著であり、集落〜社会システムの維持すら困難な状況になりつつある半島域を調査フィールドに設定し、歴史的な背景、社会環境を踏まえて地域の再生活性化の方策を提言し、自然と共生する社会環境の実現に寄与する研究プロジェクトを立ち上げるために必要な取り組みを検討する。
【プログラム】
9:00-9:30 参加登録
9:30-9:35開会挨拶
  長尾誠也(金沢大)
耕作・森林放棄と生態系劣化の関係
座長:小林達彦(千葉大)
9:35-10:10日本における里山里海評価(JSSA):概要と今後の課題
  中村浩二(金沢大)
10:00-10:35森林・耕作放棄と物質動態変化
  恩田裕一(筑波大)
10:35-11:10耕作放棄による生物多様性と生態系サービスの変化
  大黒俊哉(東京大)
11:10-11:45過疎地における環境評価と地域政策の方向性
  北野慎一(京都大)
11:45-12:45お昼
事例研究−能登半島における自然・社会環境変遷−
座長:谷内茂雄(京大)
12:45-13:10人口動態と耕作放棄との関係
  林直樹(横浜国大)
13:10-13:35熊木川流域の社会環境と里山利用変化
  堀内美緒(金沢大)
13:35-14:00社会環境変化と植生の変遷
  笠木哲也(金沢大)
14:00-14:25貯水池堆積物から見た流域環境の変化と物質動態の応答性
  落合伸也(金沢大)
14:25-14:40休憩
座長:白岩孝行(北海道大)
14:40-15:05 能登半島の医療の現状と今後−過疎化地域における半島医学の新たな展開
  中村裕之(金沢大)
15:05-15:30高齢化社会の認知症対策モデルを能登から〜認知症の早期発見・予防プロジェクト(なかじまプロジェクト)〜
  篠原もえ子(金沢大)
15:30-15:55能登半島の里山再生を担う若手人材の育成
  小路晋作(金沢大)
15:55-16:20 大学−行政連携の現状
  宇野文夫(金沢大)
15:55-16:20休憩
16:20-17:55 討論
座長:長尾誠也(金沢大)

「Underuse問題解決・地域再生に向けた大学・地域連携戦略の提案に向けて−(過疎)半島域を例として−」

半島域を活用した研究展開
  長尾誠也(金沢大)
自然と文化の共生について
  湯本貴和(地球研)
地域環境情報の統合と地域再生
  脇田健一(龍谷大)
17:55-18:00閉会挨拶
  中村浩二(金沢大)
【お問い合わせ】
長尾 誠也(総合地球環境学研究所客員教授
/金沢大学環日本海域環境研究センター教授)
アドレス