HOME > トピックス〈研究関連〉一覧:2012年 > 12月8日(開催案内)

日本沙漠学会沙漠誌分科会研究会

日  時: 2012年12月8日(土)13:30~17:30
場  所: 総合地球環境学研究所 講演室 (矢印アクセス
主 催: 日本沙漠学会沙漠誌分科会
共 催: 総合地球環境学研究所「アラブ社会におけるなりわい生態系の研究-ポスト石油時代に向けて」プロジェクト
総合地球環境学研究所「砂漠化をめぐる風と人と土」プロジェクト
備 考: 入場無料
ポスター(PDF)
【趣 旨】

近年アフリカの多くの国々で、極端な降雨変動にともなう旱魃や大雨・洪水により、人命が失われ、食料安全保障が脅かされる機会が急増している。半乾燥地域では降雨変動は常々起こっており、深刻な影響を克服するために人々は日常生活の中でレジリアンス、すなわち問題の発生時に被害を受けない頑強さ、ショックを吸収する力、被害から回復する能力を高める工夫をしている。

半乾燥地域における自然災害への国際社会や政府による対応は、早期警戒システムを整備し、深刻な発生が明らかになると食料援助を実施するという大規模で画一的な支援が行われる。住民のレジリアンスの形は,生業の営みや立地条件などにより多様であり、全てを把握することは困難であるため、それらを十分に踏まえた国際的支援はなされていない。しかし、国際機関や行政が近年急増する降雨イベントへの施策をより効果的に行おうとする場合、それらが人々の生活にいかに内在し、彼らが降雨イベントにどのように対応するのか、理解することが重要であろう。

本研究発表会では、アフリカ半乾燥地域サヘルにおいて1970年代80年代に発生した大旱魃への住民による対応について、レジリアンスを考慮に入れつつ検討する。レジリアンスは時系列に留意することが不可欠なため、各発表者は観察された対応を、事前に準備を行う適応、事後に短期的に行う対処行動、もしくは、時間をかけシステムを改変するトランスフォーメーションととらえ、事例を考察する。

【プログラム】
13:30-13:35 開会の辞:牛木久雄(日本沙漠学会 沙漠誌分科会会長)
13:35-14:35基調講演:門村 浩(東京都立大学 名誉教授)
「地球変動時代のアフリカ乾燥地研究―人間の安全保障と自然資源管理をめぐるいくつかの課題―西アフリカ・サヘルの場合を中心に」
14:35-14:45休憩
14:45-14:50趣旨説明:石本雄大(総合地球環境学研究所)
14:50-15:15話題提供1:Abdelaziz Karamara(スーダン科学技術大学)、縄田浩志(総合地球環境学研究所)
「スーダンにおけるラクダ牧畜と自然資源の管理」
15:15-15:40話題提供2:石山 俊(総合地球環境学研究所)
「不安定な降雨変動状況下におけるサヘル農耕民のなりわい」
15:40-16:05話題提供3:宮嵜英寿(総合地球環境学研究所)
「サヘル地域における農耕民と牧畜民の相互関係の変容」
16:05-16:30話題提供4:石本雄大(総合地球環境学研究所)
「サヘル地域の農牧民のレジリアンス―食料確保システムへの出稼ぎ導入―」
16:30-16:40休憩
16:40-17:10コメント:門村 浩(東京都立大学 名誉教授)
池谷和信(国立民族学博物館)
17:10-17:30総合討論
【問合せ】
石山 俊
(総合地球環境学研究所プロジェクト研究員)


総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2415
FAX:075-707-2509