第3回「統合的水資源管理のための「水土の知」を設える」プロジェクトセミナー

日  時: 2012年2月10日(金) 13:30-
場  所: 総合地球環境学研究所 セミナー室3・4  ( →アクセス )
主 催: 総合地球環境学研究所「統合的水資源管理のための「水土の知」を設える」プロジェクト
【発表者およびタイトル】

● 報告者1:脇田健一 氏(龍谷大学教授)

【タイトル】
「流域環境学と環境ガバナンス」

【要旨】

20年近く前から、複数の文理連携型の研究プロジェクトに参加してきました。特に、日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業の「アジア地域の環境保全」のひとつとして企画された「地球環境情報収集の方法の確立−総合調査マニュアルの作成に向けて」、そして総合地球環境学研究所(大学共同利用機関法人人間文化研究機構)の研究プロジェクト「琵琶湖−淀川水系における流域管理モデルの構築」に参加してから後は、琵琶湖の流域管理や環境ガバナンスに関心をもって研究を行なっています。

文理連携型の研究プロジェクトをうまく進めるためには、一足飛びに文理の融合を目指すのではなく、個別の学問領域の蓄積を活かしつつ、同時にそれぞれの学問領域が自明としてきた前提、諸学問領域間のズレを明らかにしながら、少しずつ確実に、融合に向けての共同作業を進めていくことが必要になると考えています。報告の前半では、文理連携型のプロジェクトに参加することで得た自分なりの「経験知」についてお話しをしたいと思います。報告の後半では、総合地球環境学研究所の研究プロジェクトの成果である『流域環境学−環境ガバナンスの理論と実践』の内容についても触れながら、複数の学問分野が文理連携していくためのプラットホームとして、またガバナンスに配慮した新しい流域管理の考え方として提案した「階層化された流域管理」の考え方について説明したいと思い ます。

● 報告者2:平山奈央子 氏(金沢大学特任助教)

【タイトル】
「琵琶湖流域ガバナンスにおける住民参加手法の評価と課題―マザーレイク21計画の再策定プロセスを事例として―」

【要旨】

滋賀県によって策定された琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21計画)は、2011年より始まる第2期計画期間にむけて第1期計画の評価と第2期計画策定に向けた準備が2008年度より行われた。発表者は、第1期計画が社会的合意のためのプロセスを十分に経て策定されていないこと、住民の価値観を把握していないことなどを課題として取り上げ、計画策定プロセスにおける住民参加手法のあり方について検討した。それらの結果を報告する。

【お問い合わせ】
田村うらら(総合地球環境学研究所プロジェクト研究員)
アドレス
総合地球環境学研究所
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FAX:075-707-2507