第二回墓場セミナー「墓場から覗く人間社会―墓石をめぐる学際的研究 II 」
(総合地球環境学研究所×JCAS地域研究コンソーシアム×Fieldnet広報協力)

Fieldnetはフィールド研究者のためのネットワークで、オンラインでのフィールド情報の蓄積、交換、またFieldnet Loungeといったオフラインの機会で出会った研究者が知的刺激を受けあい、そのやりとりからゆくゆくは分野をこえた共同研究が生まれることをめざしています。本企画では、「墓石」をめぐる学際的研究、GIS・GPSを使った学際研究の可能性を議論します。地球研との共催により機関や分野を超えた広いフィールドワーカーのネットワークが広がることが大きく期待されます。

Fieldnetは東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のフィールドサイエンス研究企画センター(FSC)のひとつの事業です http://fieldnet.aacore.jp

日  時: 2012年2月4日(土)13:00〜18:30
会  場: 総合地球環境学研究所 講演室  ( →アクセス )
テーマ: 第二回墓場セミナー「墓場から覗く人間社会―墓石をめぐる学際的研究 II 」
主  催: 地域研究コンソーシアム次世代支援プログラム
共  催: 総合地球環境学研究所
広報協力: Fieldnet
聴  講: 無料(どなたでも聴講できます)
【概 要】

すべての人間社会において、死者は適切な形で処理されなければならない。そして死者たちは、生きている人間の記憶の中に、そして物理的空間に、ひっそりと封じ込められる。逆説的だが、墓場とは、そんな死者たちの「生きる」場所であり、生きる人々の死者(または死という現象)への思いが凝縮された形で 顕在化する、「生/死」混在のテクスト空間なのだ。

墓場セミナー、初回はFieldnet Loungeとして2011年2月5日に開催。墓石そのもののマテリアリティにこだわり、その石たちのもつ魅力(物質性・特質・形状・意匠)から、死をめぐるフェティシズムの根源を明らかにしようとした。そして第二弾となる今回。墓場という空間から、生ける人間たちの世界を投射してみたいと思う。死者を思うことは、生者のなせる業。この世俗世界にひっそりと囲われた特異な空間から、そんな人間の性を抽出できるだろうか。社会の構造とは?政治権力とは?欲にまみれた経済とは?生/死の観念とは、、、?今回も、地質学、考古学、人類学、民俗学、社会学と、学際的なメンバーを取りそろえた。さあ、死者の魂に寄り 添いつつ,右往左往する人間たちの世界を投射してみよう。

【講 演】
13:00-13:10 挨拶
椎野若菜(東京外国語大学AA研・Fieldnet運営委員)
13:10-13:30趣旨説明
小西公大(東京外国語大学特定研究員)
13:30-14:00「縄文時代の墓に表現された格差は何を意味するのか」
中村大(総合地球環境学研究所)
14:00-14:30「石は世につれ―日本の石材産業の歴史」
乾睦子(国士舘大学理工学部)
14:30-15:50Tea Break
15:50-16:20「墓に集う、墓に遊ぶ―現代沖縄墓場考」
越智郁乃(広島大学大学院総合科学研究科)
16:20-16:50「骨が生み出す墓―台湾における死者の骨と墓の立地」
鈴木洋平(東京大学大学院)
16:50-17:20「『海の上の墓地』とその現在」
里見龍樹(東京大学大学院博士課程)
17:20全体討論
コメンテーター:的場澄人(北海道大学低温科学研究所)
【お問合せ】
阿部健一
(総合地球環境学研究所 教授)

総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2419
FAX:075-707-2510
中村 大
(総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員)

総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2481
FAX:075-707-2513