第30回「人間活動下の生態系ネットワークの崩壊と再生」プロジェクト研究会

日  時: 2011年3月28日(月) 15:00-17:00
場  所: 総合地球環境学研究所 研究室5横会議室 ( アクセス)
※ご来所の後、受付にて、内線2310(支援員:北村)にご連絡下さい
【要 旨】
「モンゴルの主要畜産品需給と家畜頭数の動向」
草野栄一(地球研)
モンゴルでは家畜頭数の増加による草原劣化が問題視されるが、家畜頭数変化に影響を及ぼすと考えられる畜産品需給やその価格変化の動向には不明瞭な点が多い。そこで、市場経済化以降のモンゴルにおける主要畜産品の需給動向と、主要家畜の頭数変化を整理し報告する。加えて、主に県別のマクロデータを用いて行った、と畜の畜産品価格への反応についての探索的な分析結果を示す。
「サラワク多点調査の結果から
:森林開発に対する反応の地域的な違いの背景を推測する」

小泉都(地球研)
マレーシア・サラワク州での多点調査(社会経済調査)に同行して、ラジャン川流域とバラム川流域では(企業による)木材伐採に対する住民の反応にずいぶん違いがあるという印象を持った。多点調査の結果を用いながら、この印象を裏付け、その背景を考察(あるいは推測)する。また、住民によるプランテーション開発の動きにも触れ、住民は何を求めているのか、それは今後の森林開発にどう影響しうるのか考察したい。
「サラワクの土地利用状況と昆虫の多様性」
岸本圭子(地球研)
マレーシア・サラワク州は、大規模な土地開発がすすみ、現地住民の慣習的な森林利用によって成立する景観が刻々と変化している。そうした土地利用の変化がそこに生息する生物相に与える影響を理解するために、周辺の土地利用状況が異なるバラム川上流域と下流域において、昆虫の多様性を評価した。調査の結果、両地域とも、慣習的な景観が、一部の甲虫群の種多様性の維持に重要な役割を果たしていることが考察された。
【プログラム】
15:00-15:40 「モンゴルの主要畜産品需給と家畜頭数の動向」 草野栄一
15:40-16:20 「サラワク多点調査の結果から」 小泉都
16:20-17:00 「サラワクの土地利用状況と昆虫の多様性」 岸本圭子
(1人につき報告30分、質疑10分)
【お問い合わせ先】
草野栄一
(総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員)

大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
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