「人間活動下の生態系ネットワークの崩壊と再生」プロジェクト
第二回モンゴル研究会

日  時: 2011年2月23日(水) 13:00-16:30
場  所: 総合地球環境学研究所 研究室5横会議室 ( アクセス)
※ご来所の後、受付にて、内線2310(支援員:北村)にご連絡下さい
【要 旨】
モンゴル国の牧畜における郊外化現象 尾崎孝宏(鹿児島大学)
モンゴル国の牧畜における郊外化現象とは、都市空間の周辺や幹線道路沿いに牧畜民が移住してきて、人口密度および家畜密度の高い領域を形成する現象のことである。これは特に2000年以降に顕著に見られ、1990年代初頭までの社会主義期、1990年代のポスト社会主義期を経た後の社会・経済状況を背景として発生している。本発表では、モンゴル国内の複数地点の調査データに基づき、郊外化現象の詳細なメカニズムを検討する。
モンゴルの牧畜気象観測 森永由紀(明治大学)
報告者らは2005年以来、モンゴル北西部の森林草原地帯にあるボルガン県の調査地において、元・県気象台長である牧民の協力の下、(1)気象観測による寒冷な地域での冬営地の選択に関する遊牧知や、(2)家畜の体重観察による家畜の移動と肥育に関する遊牧知の検証などを実施してきた。それらの暫定的な結果ならびに、モンゴル気象水文研究所で実施されている牧畜気象観測について報告する。
GPSを用いた遊牧経路の追跡実験について Nachinshonhor G.U.(地球研)
遊牧によるモンゴル草原の利用状況を明らかすることを目的に、トゥブ県バヤンウンジュール郡にてヒツジとウマにGPSを設置し、その日帰り放牧と季節移動を記録している。実験がGPSの性能、家畜への設置方法、委託先の選択など様々な試行錯誤の繰り返しであった。本報告では、上述の家畜に設置したGPSで記録した日帰り放牧と季節移動経路のほかに、遊牧民に持たせたポータブルGPSで記録した季節移動のデータを紹介する。
【プログラム】
13:00-13:15 山村プロジェクトモンゴル班の紹介 藤田昇(地球研)
13:15-14:15 モンゴル国の牧畜における郊外化現象 尾崎孝宏(鹿児島大学)
14:15-14:30 休憩
14:30-15:30 モンゴルの牧畜気象観測 森永由紀(明治大学)
15:30-16:00 GPSを用いた遊牧経路の追跡実験について Nachinshonhor G.U.(地球研)
16:00-16:30 総合討論
【お問い合わせ先】
藤田昇
(総合地球環境学研究所 客員准教授)

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