「人間活動下の生態系ネットワークの崩壊と再生」プロジェクト モンゴル研究会

日  時: 2011年2月14日(月) 13:00-16:30
場  所: 総合地球環境学研究所 研究室5横会議室 ( アクセス)
【要 旨】
発表者 鳥山和伸(国際農林水産業研究センター・畜産草地領域)
本報告では、JIRCASが最近モンゴルで実施してきた放牧試験などをもとに、牧養力(一定の草原面積あたりの家畜飼養可能頭数)の推定方法とその広域へのスケールアップの難しさと今後の課題についての報告を行う。特に、夏季の干ばつ等の異常気象下での持続的遊牧を可能にするツールとしての牧養力の重要性とその限界についての考察を試みる。
発表者 小宮山博(国際農林水産業研究センター・国際開発領域)
本報告では、トゥブ県バトスンベル郡を中心に実施してきた酪農家経営調査などをもとに、モンゴル国の酪農の現状及び課題を明らかにする。また、2010年8月にウランバートル市の252世帯を対象に実施した牛乳・乳製品消費状況調査結果から、都市住民の乳製品の消費動向も明らかにすることにより、モンゴル国の酪農・乳業の将来方向についての考察を行う。
発表者 草野栄一(地球研)
本報告では、モンゴルにおける主要畜産品市場の統合度の解明と、道路状況が市場取引に与える影響評価を試みる。2005〜2009年の羊 肉、牛肉、乳、カシミヤを対象とした分析の結果、首都及びロシア、中国との国境地帯が広域的に形成される価格の影響源となっていることなどが明ら かになった。統合市場における道路舗装は、乳では広域的に、羊肉では特定地域間の取引コストを引き下げることが明らかになった。
【プログラム】
13:00-13:15 山村プロジェクトモンゴル班紹介
藤田昇(総合地球環境学研究所)
13:15-14:15 モンゴル草原保全における牧養力の意義と限界―放牧試験の結果と今後の展開
鳥山和伸(JIRCAS)
14:15-14:30 休憩
14:30-15:30 モンゴル国の酪農の現状およびウランバートル市民の乳製品の消費状況
小宮山博JIRCAS)
15:30-16:30 モンゴルにおける主要畜産物市場の統合度
草野栄一(総合地球環境学研究所)
【お問い合わせ先】
藤田昇
(総合地球環境学研究所 客員准教授)

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