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第4回 焼畑サミットin京都
いま焼畑とは? ―生物多様性とこれからの暮らしの“かたち”

農業が環境を破壊するとき―ユーラシア農耕史と環境」プロジェクト(略称:里プロジェクト)では、第4回焼畑サミットを下記の通り開催いたします。

  ふるってご参加ください。

詳細チラシはこちら (PDF)です。

テーマ: いま焼畑とは? ―生物多様性とこれからの暮らしの“かたち”
日 時: 2011年1月23日(日)  14:00-16:00
場 所: 京都大学 芝蘭会館稲盛ホール(京都市左京区)  (アクセス)
講 師: 佐々木高明(国立民族学博物館名誉教授)
姫田忠義(民族文化映像研究所所長)
佐藤洋一郎(総合地球環境学研究所教授・副所長)
進 行:鞍田崇(総合地球環境学研究所特任准教授)
主 催: 総合地球環境学研究所プロジェクト「農業が環境を破壊するとき―ユーラシア農耕史と環境」
代表:佐藤洋一郎(総合地球環境学研究所教授・副所長)
後 援: 財団法人国際花と緑の博覧会記念協会
参加対象・方法: 一般市民・研究者/約150名(会場定員230)/参加費無料・申込不要

【概  要】
人類は生き物からの恵みでその生存を支えています。食料ばかりでなく、衣服や住居の材料、さらには医薬品の製造や酸素供給、清浄な水の生成に実に多様な生き物が関わっています。生物多様性を失うことは局所的な自然破壊に留まらず、人類の生存そのものを危うくします。

生物多様性の保全のためには、原生自然の保全だけでなく、古くから農地や林地として利用されることで形成されてきた二次的自然環境をいかに維持するかということが重要です。いわゆる「里山」に典型的に示されているように、二次的自然環境は生態系サービスの宝庫でもあります。
しかしながら、その多くは産業構造の変化とともに放棄され危機に瀕しています。生物多様性の問題は、多様な自然環境を創出してきた、かつての「生業」の知恵をどのように継承するか考えることとセットでなければならないのです。
「焼畑」は、厳しい自然条件をたくみに利用した、わが国の重要な基層文化の一つです。「焼畑サミット」は、そんな焼畑に注目し、地域資源の保全、食・農一体となった伝統的な生活文化の継承のあり方の検討を目的として、今なお焼畑を実践(復興)している方々と一緒に、日本各地を会場に回を重ねてまいりました。
最終回となる今回は、生物多様性をめぐる昨今の議論を念頭におきつつ、あらためて「いまなぜ焼畑なのか」をテーマに総括的な議論をしたいと考えています。焼畑の研究・記録で先駆的業績を残してこられた佐々木高明氏と姫田忠義氏をお招きし、今では失われてしまった「生業としての焼畑」をあらためて考えることで、風土に根ざした「生きた」生活文化をいかに現代の暮らしの中で再生するか、具体的で有意義な議論ができるものと期待しています。
自然とながくうまくつきあっていくための暮らしの「かたち」を思いえがく場にぜひ皆様もご参加ください。
【プログラム】
趣旨説明
座談会(2部制:45分×2:途中休憩:15分)
第I部「焼畑に見る生物多様性と資源利用」
第II部「基層文化としての焼畑とこれからの暮らしのかたち」
佐々木高明氏(国立民族学博物館名誉教授)
姫田 忠義氏(民族文化映像研究所所長)
佐藤 洋一郎(総合地球環境学研究所教授・副所長)
閉会挨拶
進 行:鞍田崇(総合地球環境学研究所特任准教授)
【講師プロフィール】
佐々木高明(ささき・こうめい)―国立民族学博物館名誉教授
1929年大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。立命館大学助教授、奈良女子大学教授、国立民族学博物館教授、同館長などを歴任。専門は民俗学。照葉樹林文化論を中佐助らとともに構築・提唱。わが国における焼畑研究の先駆的業績でも知られる。著作に、『熱帯の焼畑―その文化地理学的比較研究』、『稲作以前』、『日本の焼畑―その地域的比較研究』、『東・南アジア農耕論―焼畑と稲作』、『照葉樹林文化とは何か』など。
姫田忠義(ひめだ・ただよし)―民族文化映像研究所所長
1928年神戸生まれ。旧制神戸商高(現兵庫県立大学)を卒業後、上京。シナリオライターなどのかたわら民俗学者宮本常一に師事し、映像による民族文化の記録作業をはじめ、76年民族文化映像研究所を創立。その活動は日本のみならず海外からも「映像人類学」の草分けとして高く評価されている。代表作に、「日本の記録映画のひとつの金字塔」と評される『越後奥三面』二部作のほか、『イヨマンテ―熊おくり』、『椿山―焼畑に生きる』など。
佐藤洋一郎(さとう・よういちろう)―総合地球環境学研究所教授・副所長
1952年和歌山県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。農学博士。静岡大学農学部助教授などを経て、2004年より現職(2008年より副所長兼任)。専門は植物遺伝学。遺跡から出土した炭化米にDNA分析の手法を応用し、稲作の起源・伝播について数々の業績をあげてきた。著書に『稲の日本史』、『里と森の危機(クライシス)』、『クスノキと日本人』、『コシヒカリより美味い米』、『ユーラシア農耕史』全5巻(監修)など。
□関連企画
研究ワークショップ「地球環境問題と焼畑」
2011年1月24日(月)10:00−15:00
総合地球環境学研究所・講演室
申込不要・聴講無料
*地球研・里プロジェクト火耕班(焼畑研究グループ)の成果報告と討議
□過去の企画
プレイベント
「中山間地域における持続的な土地利用シンポジウム」
2005年11月11日・12日 於島根県中山間地域研究センター
主催:地球研  共催:島根県中山間地域研究センター
第1回サミット
焼畑サミット in 高知」 
2007年11月24日 於高知女子大学 *関連企画(神楽実演) 11月25日 於高知城ホール
主催:地球研  共催:焼畑による山おこしの会・高知女子大学
第2回サミット
焼畑サミット in 鶴岡 焼畑と野焼きの文化―今、東北が熱い!
2008年11月16日 於温海ふれあいセンター *関連企画(講演) 11月14日 於致道博物館
主催:地球研
共催:鶴岡市・東北芸術工科大学東北文化研究センター・山形県在来作物研究会
第3回サミット
焼畑サミット in 大分 いまよみがえる「農」と暮らしのかたち
2009年11月13日 於コンパル・ホール 主催:地球研  共催:大分大学
【お問い合わせ先】
総合地球環境学研究所プロジェクト「農業が環境を破壊するとき」(担当:鞍田)
TEL:075-707-2382  FAX:075-707-2508
Email:
〒603-8047  京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所
焼畑サミットのホームページ

 

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