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第5回 ジャカルタ都市研究会
The 5th Jakarta Seminar

このたび、「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト:そのメカニズム解明と未来可能性に向けた都市圏モデルの提案」プロジェクトでは、下記の通り、 第5回ジャカルタ都市研究会を実施いたします。

みなさま奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

日  時: 2010年6月27日(日)13:00−16:00
会  場: 京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館 3階小会議室II (アクセス)
題  目: インドネシア首都圏の不動産開発:スハルト体制期との連続性と変化
講  師: 新井 健一郎氏(共愛学園前橋国際大学専任講師)
コメンテーター: 村松伸(総合地球環境学研究所教授)
岡本正明(京都大学東南アジア研究所准教授)
主  催: 総合地球環境学研究所
「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」プロジェクト
(メガ都市プロジェクト 代表:村松伸)
京都大学東南アジア研究所GCOEプログラム
「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
□ 発表要旨

独立後インドネシアで民間不動産企業の活動が本格的になってきたのはスハルト体制期に入って以降である。特に1980年代半ば以降は、大手企業グループが都心および郊外の両方で大規模なスーパーブロックやニュータウンの開発事業に一斉に乗り出し、街並みの変化に大きな影響を及ぼすようになった。しかしこうした大型開発事業は需要側のボトルネックと用地買収・開発への過剰投資により大量の不良債権を生み出し、1997年から1998年の金融危機・スハルト体制崩壊と機を一にする形でプロジェクトの大幅な遅延・停滞・再編が相次いだ。その意味で、1980年代から1990年代にかけての首都圏の大型都市開発事業はスハルト体制の産物として生まれ、スハルト体制の崩壊とともに頓挫したとも言える。

しかしそれから約10年が経ち、インドネシア首都圏の不動産産業は再び活況を呈している。都心や郊外で大型の開発プロジェクトが相次いで完成・進捗し、およそ過去5年強の間に首都圏の街並みを再び急激に変えつつある。今回の発表では、前半で簡略ながらインドネシア首都圏の不動産産業の発展をスハルト体制期からたどり直し、後半では各種の資料や現地での観察から、現在進行中の街並みの変化がスハルト体制期とどのような点で連続し、どのような点で断絶しているのかを考察する。特に戸建て・アパートメントを問わず居住用不動産に焦点を当て、首都圏郊外部の大型ニュータウン事業や、ジャカルタ各地の集合住宅開発について、事業主体の交代や事業環境の変化、事業の重点や流行の変化、社会的影響等について、全体的な概観といくつかの事例紹介を組み合わせる形で報告する。

□ 参考文献

新井健一郎 (2001)'Only Yesterday in Jakarta: Property Boom and Consumptive Trends in the Late New Order Metropolitan City' 『東南アジア研究』38巻4号, pp. 481-511
−(2001)「不動産王チプトラのジャカルタ」『社会人類学年報』27、弘文堂、pp. 119-139
−(2005)「寡占的郊外化−スハルト体制下のインドネシア首都圏開発−

【お問合せ】
林 憲吾 | HAYASHI Kengo
(総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員)

総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2340 (直通) / 2353
FAX:075-707-2508
プロジェクトのホームページ
甲山 治 | KOZAN Osamu
(京都大学東南アジア研究所准教授)
京都大学東南アジア研究所
〒606-8501
京都市左京区吉田下阿達町46東棟401
TEL:075-753-9652
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